RADIO CRAZY 2日目(2010.12.30)

RADIO CRAZYの最終日。
この日の方が人が多かったことに驚いたのだけれど、よく見直したら、今勢いがあるバンドがこの日は揃ってたんだな。若い子が多かった。
二つのステージに、ベテランバンドと若いバンドが振り分けられるパターンが多かったタイムテーブル構成だったのだけれど、動員は新しいバンドが圧勝していた。そりゃ、ベテランバンドを観に行くような歳喰った人は、年末他事で忙しくなってしまうもんね。

チャットモンチー

人気は相変わらず。
最近の曲は「ここだけの話」以外は聴いたことが無かったのだけれど、順調に捻くれた方向に向かっているようで何より。
どことなく独自の音楽性を持っているこのバンドだけれど、この日演奏した新曲は一段とオルタナ的でよろしい印象。「知名度が上がってきているガールズバンド」なんてマネーの匂いがプンプンするのに、商売っ気を感じさせない姿勢が良いね。

MO'SOME TONEBENDER

初の新生モーサム
ドラム担当のはずの藤田勇がギターとかシンセとかを引っ張り出してきた。ドラムから浮気し過ぎ。本業?のドラム要素はスネアとシンバルを傍らに置いているだけで、ドラムは別にサポートメンバーを呼んでいた。モーサムは今年まで「実験期間」として活動停止していたのだけれど、これが実験の結果なのか。

ただ、そのお陰で音がやたら分厚くなってライブは大変なことになっていた。過去のモーサムとはスケールが違う。一皮むけたどころの変化ではない。元々4人編成のバンドでは生まれないだろう音の圧力が、この(サポート入れて)4人からは生まれていた。
10年以上のキャリアがあるのに、一旦構成を崩した上で、その後期待を裏切らずに大成長できているというのは素晴らしいね。改めてCDを買うかどうか迷うレベル。

THE BAWDIES

観よう観ようと思いながらタイミングが合わず観られなかったのだけれど、今回初めて通しで観ることができた。
1stアルバムの雰囲気から、硬派なライブをするのかなーと思い込んでいたのだけれど、MCが爽やかでビックリした。基本的にボーカルがMC担当なのだけれど、ボーカルから話を振って、各メンバーがそれぞれ一言MCをするのがアイドル的だなあ、とか思いながら観ていた。
そんな感じのライブだったので、女子人気が凄い凄い。黄色い声飛びまくり。

すっかりTHE BAWDIESの印象が変わったライブだった。
近いうちにエルレガーデンみたいな不動の女子人気を誇ることになりそうな気がする。

ちなみに、音楽的には昨日観たOKAMOTO'Sの方が好みかな。BAWDIESの演奏はまだ若々しい印象だった。

真心ブラザーズ

BAWDIESも黄色い声援が飛んでいたけれど、真心ブラザーズにも「格好いいー!」との女性の声援が飛んでいた。ちょっと年齢層高めな感じの声援が。
真心ブラザーズの観客というのは、やっぱり年齢層が高いね。きっと皆、真心ブラザーズと青春を過ごした同胞に違いないわ。

一部局で放送禁止になった「拝啓、ジョンレノン」をFMのイベントで演奏する、というのはよく考えたらなかなか面白い状況だなーとか思った。

SOUL FLOWER UNION

ライブを始めてしまえばその空間をお祭り会場に変えてしまう、このバンドの力は凄いね。曲を知ってる知らないとか、そういうの関係ないもの。
屋内でSOUL FLOWER UNIONを観たのは初めてかもしれない。別名義活動の影響で、割とアコースティックな印象があったのだけれど、やっぱり本体での演奏はひと味違う。ロックが主体になった演奏は迫力が違ったな。バンドの底力を思い知った時間だった。

サンボマスター

サンボマスターのライブは二年前?三年前?のここインテックス大阪だったと思う。その時も抜群のパフォーマンスだった記憶があるけれども、この日のサンボマスターはその記憶に輪をかけて熱かった。持ち時間が30分強程度だったのだけれど本当にあっという間だった。多分ワンマンでもあっという間の濃縮ライブを演っちゃうんだろうな。

サンボマスターはご存じの通り、フェス向けの知名度高い&アッパーなシングル曲を山ほど持っているのだけれど、それを立て続けに繰り出すので、もう盛り上がりが止まらない。
しかしながら、一番突き刺さったのはバラードの「ラブソング」で。追悼のMC含めてこの日のクライマックスだった。
このバンドにとって、バラードは真骨頂かもしれないな。あらゆるサンボマスターが詰まった30分強だった。

結局この日のサンボマスターの影響が強すぎて、大晦日はサンボマスターをずっと聴いて過ごした。でも「ラブソング」は感情が高ぶるので聴き通せない、というジレンマにはまって困ったわ。

サカナクション

トリがサカナクションというのはどうなのだろうなあ、と思っていたけれども、屋内フェスでのトリというのは想像していたよりハマっていた。
集大成のライブをする、という宣言通り、ライブのベスト盤のような構成。その中にAme(B)とかネイティブダンサーとかをセットに入れられるのがサカナクション
それぞれ、過去のライブよりアレンジが良くなっていた印象で、年を追う事に進化しているバンドだなーと改めて思った。「この前フェスで観たからいいや」とスルーし辛いバンドになってきている。

山口一郎MCが結構落ち着いていたのも印象的。普段は浮ついた内輪っぽいノリでのMCをしていると思うのだけれど、この日のMCには真剣さがあった。初見の人が多いと考えたからかな。
「興味を持ったらフェスだけでなくワンマンに足を運んで欲しい」との主旨のMCをしたらしいのだけれど、それの言葉の説得力が十分あるライブだった。



この日も結構右へ左へステージを歩き回った。
二日目のラインナップは割とCDJっぽかったのだけれど、去年みたいにCDJの劣化版とは感じなかったな。これからもRADIO CRAZYは関西の冬イベントとして頑張って欲しい。