Apple Watch Series 5の紹介 (Apple Watch Edition チタニウム)

f:id:MetaParadox:20200605180334j:plain
Apple Watch Edition 44mm チタニウムケースとミラネーゼループ

会社用の腕時計が壊れてしまったので、その代わりとして初めてApple Watchを買った。購入して四ヶ月ほど経ち評価も定まってきたので、紹介記事を書く。

Apple Watchは今や「知る人ぞ知る製品」になっていて、ネットで情報を調べても知っている人が書く知っている人向けの記事ばかりが見つかる状況。今まで興味がなかった人にとっては謎が多いと思うので、Apple Watchについての知識がない人向けに、Apple Watchとはなんぞやという話から書くことにする。

ちなみに写真の通り、Apple Watch (Series 5) Edition チタニウムとミラネーゼループのセットで購入した。この組み合わせでコンパス機能が狂う問題については後述。

製品サイト (Series 5)

www.apple.com

Apple Watchのバージョン

2020年6月現在、Apple Watchは購入にあたっての選択肢がたくさんある。

まず製品のバージョン。現在のApple WatchSeries 5が最新モデルになっている。Series 3という以前のモデルも廉価版として併売されているのだけれども、腕時計の代わりとして今買うのならSeries 5。2020年においてSeries 3の選択肢は罠だと思う。理由は後述。

Apple Watch Series 5にも選択肢が色々ある。

まずエルメスやナイキとコラボレーションしている製品があり、その製品でしか使えないブランドデザインの文字盤が使えるようになっている。そのブランドのファンなら選択肢の一つとして心に留めておこう。

通常モデルから選ぶなら、ケース素材が「アルミニウム」「ステンレススチール」「チタニウム」「セラミック」から選択できる。ただしケース素材によって値段がかなり変わるので注意。こだわりがないなら「アルミニウム」素材からの選択になるだろうけれど、画面への傷の入りやすさには注意が必要。またケース素材ごとに色のバリエーションも異なるので、色との組み合わせでケース素材は選ぼう。

またケース素材にアルミニウムを選んだ場合はセルラー機能(携帯電話通信機能)の有無が選べ、値段が変わる。最後に本体サイズが44mmと40mmの二通りあり、このサイズ選択でも値段が若干変わる。ここまでがApple Watch本体の話。

本体と組み合わせるバンドも選べる。フォーマルに使えそうな金属やレザーのバンドや、カジュアルに使えそうなナイロンやゴム製(フルオロエラストマー)のバンドなど、かなりのバリエーション展開があり、本体と組み合わせて購入する形になる。バンドは交換が簡単にできるので、何本か持っておいてTPOで交換するイメージで考えてもいい。

さすがに選択肢が多すぎて訳がわからない、という人のために、Appleはバリエーションを試せる着せ替えサイトを作っている。通常モデルでできる組み合わせを確認できるし、値段が逐一表示されるのが良心的な作りなので、購入を考えているなら、まずはこのサイトで組み合わせを試してみよう。

www.apple.com

何に使ってる?

  • 腕時計
  • 活動量計(アクティビティ・睡眠記録)
  • iPhoneに届く通知確認
  • 予定の確認

Apple Watchって何ですか?」と訊かれたらiPhoneのサブディスプレイになる腕時計・活動量計と回答すると思う。つまりiPhoneユーザーであることが前提の製品であり、iPhoneを持っていない人は買ってはいけない iPadのように単体で使えるものではないし、Apple Watchの初期設定ではiPhoneとの連携が求められる。

また「iPhoneではできず、Apple Watchだからこそできる機能」はあまりなく、大きくは活動量計の機能くらいだ。ただその活動量計としては高額な部類に入るし、バッテリーの持ちも悪い。一日は持つけれど、二日は持たないバッテリー。できるだけ身に付けて活動状況を記録していくことに価値があるはずの活動量計としては相当厳しい性能だ。

時間や通知を確認するためにiPhoneを見ることが苦にならないのなら、iPhoneでできることはiPhoneでやりつつ、活動量計として別にGarminやFitbitの製品を買った方が賢いとも思う。ただ活動量計と腕時計の両方を身に付けるのは結構面倒だな、一つにまとめたいな、となると、腕時計としてデザイン性に優れた活動量計はあまりないのが現状。上位機種でもスポーツ色が強いデザインになってしまう。そこでApple Watchのデザインが気に入るなら、Apple Watchの購入を検討する、というのは考え方としてあると思う。

なのでiPhoneの機能の一部を腕時計で確認・操作できること」活動量計が兼ねられること」の両方に魅力を感じられるのなら、Apple Watchの購入をおすすめできる。活動量計の機能に興味がない場合は、購入したとしても「値段で期待した割には役に立たないガジェット」という印象になるだろう。活動量計の機能以外の部分だけで満足できるタイプの人は、既にApple Watchを持っていると思う。

買って何が良かった?

「アクティビティ」が活動の後押しをしてくれる

「アクティビティ」という、日々の活動を記録する、だけではなく活動を促してくる機能があり、怠けているぞ!身体を動かせ!と頻繁に通知を出してくる。活動量計の機能を期待していない人にとっては、むしろ煩わしさすらある通知(迷惑ならオフにできる)だけれど、どうしても家に閉じこもって身体を鈍らせてしまいがちな昨今においては、身体を動かす動機を作ってくれるありがたい機能だと思う。

毎時一回、立ち上がって一分間身体を動かす「スタンド」の達成を促す機能が特にありがたい。この通知のおかげで、休日の午前中にずっとベッドの上でゴロゴロし続けることがなくなった。

「スタンド」を十二回達成するのが毎日の目標になるのだけれど、午前中のスタンドの達成回数がゼロだと、午後は毎時毎時、抜け漏れなく十二回達成しなければ目標が達成できなくなる。となると午前中にも何回か達成してスタンド貯金を作っておこうと考えるようになるので、習慣的に午前からちゃんと活動するようになるのだ。

活動量計として記録した情報はもちろんiPhoneでも確認できる。日々の目標達成の積み重ねをiPhoneの画面で一覧確認できるのも、充実感がある。

iPhoneの通知が確認出来る

iPhoneの通知は、基本的にはできるだけ早く確認したいものを表示させている、はず。その通知が腕時計でより早く確認できるようになるのは便利。例えば待ち合わせする時にLINEのメッセージ通知が腕時計で素早く確認できるのが便利なのは、想像がつきやすいと思う。

他にも電車遅延の通知を腕時計ですぐに確認して、臨機応変に対応出来るようになるのも便利だし、よく助けられる。天気・災害の通知も手元ですぐに確認できるのは便利だし、予定やタスクの通知もすぐに気づきやすくなる。ちなみにアプリがApple Watchに対応していなくても(Apple Watch Appが提供されていなくても)通知の受け取りは可能だ。

Apple Watchに通知を飛ばすか飛ばさないかはアプリ別に設定できるので、iPhone上で確認出来たらいい程度の通知はオフにすることも可能。お店のアプリの販促通知がApple Watchに届き続けて鬱陶しい、ということも防げる。

バンド交換が楽しい

シーンや気分によってバンドが交換できるのが楽しい。Apple Watchの満足度を高める大きなポイントになっている。

オンオフでバンドを切り替えたり、カジュアルなものはシーズンに合わせたバンドを着けたり。Apple Watchはバンドの着脱が簡単にできるようになっていて、交換の手間が苦にならない。今日は休日だからカジュアルにしよう、今日は会社に出勤だからかっちりしたバンドにしよう、ということが毎日の服を選ぶようにできる。普通の腕時計にはない使い方で、バンドはApple純正の製品以外でも色々なデザインのものが販売されているので、楽しみ方にも幅がある。

最初は物珍しさでバンドを交換するけれど、結局面倒臭くなっていつも使うバンド一本になるのだろうな……と実は思っていたのだけれど、意外にそうはならなかった。今もよく交換する。よくできているギミックと商品展開だと思う。

ほか地味に便利だと思っている機能

  • 再生しているSpotifyプレイリストの曲名をすぐに確認出来る
  • iPhoneで再生しているメディアの操作ができる(Chromecastにキャストしているメディアも操作できる)
  • すぐにShazamできる
  • iPhoneを触らずに電話が取れるし会話できる(スピーカーフォンの能力が優秀)
  • Siriが呼べる(iPhoneでは全然使っていないけれど、Apple Watchで使えるのはたまに便利)

購入前の自分へのアドバイス

購入前に疑問に思ったことと、今その自分にアドバイスできるならこう言うだろうな、という問答集。

※書かれている内容は購入前の自分に対して以外は責任を持ちません。自己判断でお願いします!

Series 5とSeries 3のどちらを選んだらいい?

今までApple Watchを使っていなかった人が、腕時計の代わりとして選ぶならSeries 5を買うべき。

Series 5になって初めて、画面が常時点灯する機能が実装された。

つまり(Series 3を含む)それまでのモデルは、画面が常時点灯されておらず、腕を動かして時計の画面を上向きにするか画面をタップするなど、何か「起こす」アクションを取らないと画面が点灯せず、時間が確認できなかったのだ。

腕時計の代替としてApple Watchを考えている場合、画面が常時点灯しないというのは論外。iPhoneにも時計表示があるのに、なぜわざわざ手首に時計を着けているのか。すぐに時間を確認したいからだ。ちらっと手首に目をやっても時間が確認できず、わざわざ腕や指を動かして画面をアクティブにする必要があるのは不便だ。普段腕時計を使っていた人にとっては耐えがたいことだと思う。

Apple Watchの記事を検索していると「Series 5とSeries 4は見た目は変わらない、CPUなど内部スペックが強化されただけ」「Series 3は入門者向け」みたいな文章に出会ったりするけれども、これは常時点灯しないApple Watchの不便さに慣れてしまった人の視点だ。今までApple Watchを使ったことがなく、時間を確認するために腕時計を上向きにするように腕を振りかぶったり、画面をタップする習慣がない人が、今からわざわざその習慣を身に付ける必要はない。

Apple Watchの機能に興味がある、腕時計としての機能は重視していない、という場合以外は絶対に常時点灯ができるSeries 5を買うべきだし、腕時計を求めつつ価格を妥協してSeries 3を買い、画面を点灯させる習慣を身体に染みつかせるくらいなら、普通の腕時計を買っておいてSeries 5が安くなるのを待つべきだ。

ケースの素材が色々あって迷う

Apple Storeで実物を見て決めるべき。

このご時世にかなり書き辛いアドバイスなのだけれど、実物を見ることは大切。

予算上アルミニウム一択なら、アルミニウムを選べばいい。Apple Storeか展示のある家電量販店に行こう。ただ他の素材を検討できる予算の余裕があるのなら、できればApple Storeに足を運んで、展示品を見て判断しよう。チタニウム、セラミックなどApple Storeにしか展示がないケース素材もあるので、そういった素材が気になるのなら是非Apple Storeに行って実物を見てみるべきだ。素材の質感は写真では伝わらない。

Apple Storeの展示品は多くの人が触っているので、使用感が出やすく、数ヶ月使ったときの傷の入り具合が想像しやすい。Apple製品が傷によってイメージが大きく変わることは、iPhoneユーザーならわかるはずだ。使用感が出たあとのApple Watchも愛せるかどうか、実物を見て判断することをおすすめする。また素材別でApple Watchの重量も違うので、是非実物を腕にはめて確認しよう。

また活動量計として使う場合、起きている間はずっと腕に装着し続けることになる。腕時計以上に装着時間が長い。毎日欠かさず身に付けることになり、かつ目に入りやすい場所に付けるものなので、見た目はかなり大事だ。たくさんの選択肢から一番気に入ったケース素材を選ぶと後悔がないだろう。

実際に展示品を見て、どう思った?

アルミニウムはiPhoneっぽい、ステンレススチールはiPodっぽい。チタニウムは腕時計っぽい。それが第一印象。

小さいiPhoneを腕に着けているようなイメージが気に入るかどうかで、アルミニウムの評価は変わってくる。あとアルミニウムモデルのApple Watchは、画面ガラスの材質も他の素材のものとは違うのだけれど、アルミニウムモデルの展示品には画面に大小細かいキズが入ってしまっていた。この傷が許容できるか。ステンレススチール(画面にサファイアガラスが採用されていて、アルミニウムモデルより傷が付きにくい。チタニウムとセラミックも同様)の展示品と見比べるときに、ちゃんと画面の傷の具合も確認しよう。

Apple Watchにケースを装着して、画面にはフィルムを貼って、というiPhone的な保護をする方法もあると思うけれど、腕時計にそこまでやるかどうか。市販されているケースがチープなものばかりなので、正直おすすめはできない。iPhoneのように色々なケースから選べるなら話は変わるのだけども……。ただアウトドアなど傷が付きやすいシチュエーション用としてケースを準備しておいて、必要に応じて装着するのはアリだと思う。

ステンレススチールのiPodっぽさは、昔持っていたiPod Classicを思い出させてくれて結構好みだったし、傷が付いて愛着が湧くようなデザインだなとも思ったけれど、存在感が結構ある。Appleのサイトの写真からは伝わらないのだけれど、光沢がかなり強く、指紋が付く。ファッションのアクセントに、良くも悪くもなりやすい素材だ。

チタニウムは、やはり腕時計っぽい素材のようにみえる。どんな素材であろうとデザインは明らかにApple Watchであり、隠せるものではないのだけれど、服装の中に馴染みやすい印象はあった。高価格帯の素材とはいえ全く傷がつかない素材ではなく、細かい傷は付きそうだけれど、傷のつき方にも腕時計っぽさが出るなという印象。Apple製品っぽさがなく、主張しないデザイン。価格の割に地味。それに納得できるかだと思う。写真で見る限りではアルミニウムとチタニウム、そんなに違うのか?と思っていたけれど、実物を身に付けると質感の違いで印象は変わる。

セラミックは、真っ白なApple Watchを選びたいならこれ一択。この素材を選ぶ人は、他の素材と迷うことはないと思う。

個人的にはあまり「腕にガジェットが付いている」という雰囲気を強く出したくないと思っていたので、腕時計のように見えやすいチタニウムを選んだ。アルミニウムもステンレススチールも「Apple製品を腕に装着している」という感じで、もちろんそれを好ましく思える人はそれで良いと思うのだけれど、そういう主張は腕時計にはいらないな、と感じる人にはチタニウムがおすすめ。

二種類あるサイズ、どっちを選んだら良い?

試着して好みの方を選べばいい。

Apple Storeに行くのが難しい場合でも、サイズ感を自分の手首で確認するために、試着できる家電量販店に行くことをおすすめする。

大柄だから大きいサイズ、小柄だから小さいサイズ、と一概に勧められるものではない。44mmは結構大きいし、40mmとの差は4mmだけれども、印象は結構変わる。大きいサイズを選んで手首にドーンと存在感が出るのは良し悪しで、目立つケース素材なら小さいサイズの方が品良く見える、という判断もあると思う。

ただ大きいサイズの方が画面が見やすいのは明らか。普通の腕時計と違い表示される文字を読む機会が多く、大きな画面で文字が読めるのはありがたい。腕時計を付ける位置によっては手首への干渉もあるし、試着して判断するのが一番。

セルラー機能って必要?

iPhoneを置いて出かけることってある?

iPhoneApple WatchBluetoothで接続する。普段の生活の中でiPhoneを置いて出かけたり、Bluetoothの圏外になることがないのなら、Apple Watchセルラー機能はそもそも出番がない。普段肌身離さず持ち歩いているiPhoneを、わざわざ手放して行動することがあるかどうか。あとApple Watchのバッテリー持ちはすこぶる悪い。できるだけバッテリーを節約して運用するのなら、Apple Watch単体に負担がかかるセルラー機能は使わない方がいい。

ただ緊急SOS機能や転倒検出機能などに期待している場合は、セルラー機能が生きそうな緊急ケースがあることは確か。どこまでの機能をApple Watchに期待するかによると思う。

※ケース素材としてチタニウムを選んだのでセルラーモデル一択だったけれども、開通はさせていません。

バンドとしてミラネーゼループを装着すると、コンパスが上手く動かないらしいけれど?

確かにコンパスは狂う。ただ、好みを優先していい。

会社などにはスポーツバンドを着けて行き辛い、かっちりとした見た目のバンドを着けたい、という場合にはミラネーゼループが候補の一つになるけれど、バンドを固定するための磁石がコンパスに干渉するという、信じられない問題がある。Apple純正同士なのに!

support.apple.com

ミラネーゼループを装着すると、Apple Watchのコンパスは狂うことが多い。これは展示品数台で確認したし、手元のApple Watchでもよく狂うので、個体差のレベルではないと思う。ただ実際のところ、そもそもApple Watchのコンパス機能を使うことがないのだ。(ここで「いや、あるよ」と即答で反論できる人は、ミラネーゼループを選ぶべきではないです)

マップを見ているときに、自分が向いている方角を示してくれるのもコンパス機能なので、これが正しくないと困りそうな気がする。けれどもマップで方角を頼りにしたい場合、つまり道に迷ったときや道順を確認したいときには、画面の大きいiPhoneを見て確認している。ルートを決めて移動している最中のマップ確認ならともかく、方角がわからず困るようなときにApple Watchの小さい画面はわざわざ見ていないのだ。

またランニング中にはApple Watchで方角を確認しそうなものだけれども、そのようなスポーツのシーンでは、ミラネーゼループではなくスポーツループやスポーツバンドを着ける。スポーツ系のバンドはコンパスが狂わないので大丈夫だ。

ミラネーゼループを装着している時にApple Watchでコンパス機能が狂って困るシーンが、実際のところ訪れないのである。Apple Watchの製品についてブログを書いている人の多くは機能マニアなので「コンパス機能が便利!」や「ミラネーゼループは磁石と干渉する!」などと記事を書いていて、それは嘘ではないわけだけれど、その記載内容が自分にもそのまま当てはまるのか、自分にとって重要なことなのか許容できることなのかを考えた方がいい。Apple Watchを身に付けるにあたって、自分が何を優先したいのかを考えて選ぶようにしよう。

というわけで、何となく機能が損なわれるのは嫌だな、という程度の懸念なら、気にしなくていいと思う。

参考になるレビュー

www.sin-space.com

購入に当たって色々ブログを検索したけれど、結局このブログ以外は読む必要がなかった。そのくらい情報がまとまっているサイトだし、写真も豊富で参考になった。

新たにApple Watchを購入するにあたっては参考にしづらい機能マニアなブログやニュース記事が多い中、ユーザー目線で良心的な、いいブログだと思う。

【レビュー】スパイスカレー事典

スパイスカレー事典

スパイスカレー事典

  • 作者:水野 仁輔
  • 発売日: 2016/05/16
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

家にいる時間が長くなりそうだったので、時間がかかりそうな料理をしよう、市販のルーに頼らないカレーを作ろう、とスパイスカレーのレシピをネットで漁っていたのだけれど、ネットのレシピを参考にして作るとどうも失敗ばかりしてしまう。カレーのようにどう作っても美味くできてしまうだろうと思い込んでいるものに失敗するとショックが大きいし、スーパーで買い込んだカレー以外に使うあてがないスパイスに顔向けができない。

何度か失敗した結果、どうやら真剣なレシピで作らないと駄目そうだとわかってきたので、信頼できそうな市販のレシピ本に頼ることにした。スパイスカレーのレシピ本を色々調べて、一番活用できそうだったこの本を購入、結果大正解だったので、感謝の気持ちを込めておすすめをする。

初心者向けレシピ本として

「スパイスカレー事典」と上級者向けそうなタイトルだけれど、(スパイス沼にはまる覚悟があるなら)スパイスカレー本の一冊目として買ってもついていける内容。最初にベーシックなチキンカレーのレシピと、調理の手順とポイントが細かく書かれていて、この通りにやっていたら失敗のしようがないという説明になっている。

例えば玉ねぎを炒めてからスパイスを混ぜ合わせるプロセスは、二十ステップ以上の説明になっていて、それぞれのステップでのフライパンの状態を示す写真が付いている。その上で玉ねぎの炒め方についてはコラムでもいくつかコツの補足がある。「炒める」ことにここまで説明を割いた本があっただろうか? というくらいの説明で、書かれている通りのことをやると、書かれている通りのものができる。文字にすると当たり前のように思えるけれど、レシピ通りに作ってみたつもりでも、勘所を外していて失敗するのがスパイスカレー作りなのだ。

あとQ&Aのコーナーとして、準備やレシピについての細かな補足がされているのもありがたい。通常は一回失敗して学ぶポイントが、失敗しなくても学べるようにまとめられている。どこまでが自由で、どこが外せない勘所なのかが理解できるようになっていて、安心してベーシックを学び、そこから発展できるようになっている。

市販のルーを使ったカレーは、どんな具材でもルーが味をカバーしてくれるので、適当に調理しても失敗にはならないのだけれど、自分でスパイスを混ぜて作るカレーは、ちゃんと作らないと美味しいカレーにならない。世の中のスパイスカレー店は自由な味付けをしているように感じるけれど、あの自由さは相当な努力と研究、繊細さの元で作られていて、素人が適当に素材だけ真似て作ると確実に失敗する。

まずはちゃんとベーシックなレシピを学んで経験を積んでから、一歩一歩、創意工夫をしていくこと、それをこの本は教えてくれる。

基本から応用へ

世の中のスパイスカレーのレシピには、「コリアンダーを大さじ1、ターメリックを小さじ1、クミンを小さじ1……」といったように色々なスパイスの名称が列挙されるけれど、そのスパイスがどういった役割のものなのかはあまり触れられていない。ターメリックがウコンでカレー色の元になっている、というのは一般的な知識としてあるけれど、他のスパイスはラベルの雰囲気で「カレー味の元っぽいもの」「辛さの元っぽいもの」位しかわからない。

そんな程度の知識だと、よく分からないままにレシピを参考にしながらスパイスを揃えることになる。価値がわからないものにお金を出すのは結構苦痛だし、スパイスの役割がわからないと工夫もやりようがない。ネットでスパイスの黄金比みたいな記事を見かけても、どの記事も比率が違って、何が正しいのか判断ができない。適当にアレンジしてみたけれどなんだか変な味になって、鍋の中身の救い方もわからない、とりあえずS&Bの赤缶カレー粉入れて誤魔化すか、ということになってしまうと、スパイスカレー作りもつまらない。

この本では、どのスパイスがどういった役割を持っているのか、説明のページがある。スパイスカレーを作るような人がレシピ通りに作るだけで満足するわけがない、自分の好きな味を探求できてこそのスパイスカレーだ、という前提の上で、ちゃんとアレンジする方法が説明されている。(恐らくこのアレンジの方法に焦点を置いた本が、同じ著者の「スパイスカレーを作る」なのだと思う)

レシピ通りのスパイスを準備できない場合でも、スパイスの役割と向き不向きが理解できていれば、抜いたり代用したりできる。勘所を外さずに、ある程度の自由なアレンジができるようになる。またカレー以外でスパイスを使うレシピも(「スパイスカレー事典」なのに!)紹介されており、そういったレシピから各スパイスの特徴を理解することができるようにもなっている。読み進めれば、揃えたスパイスが「カレー専用スパイス」として棚の奥にしまい込まれることもない。

読み物として

巻末に読み物が付いているのだけれど、特におもしろいのはシェフへのスパイス観のインタビュー。大阪のスパイスカレー屋の店主へのインタビューが掲載されていて、スパイスカレー屋が好きな人だったら楽しめる内容だし、自分でカレーを作ってから読むと、やっぱりこの人たち発想が突き抜けてるな、と感じられて面白い。

まとめ

お薦めできるポイント

  • ネットのレシピとは一線を画す丁寧な調理説明
  • 基本から応用まで一冊で対応
  • 読み物として面白い

注意ポイント

  • 手軽にスパイスカレーが作れる本ではない(そもそもスパイスカレー作りは手軽ではない)
  • スパイスを揃えるつもりがないと価値が無い
  • スパイスカレーを作るレシピ本に2600円+税が出せるか

お題「#おうち時間

2019年の邦楽10枚

2019年にリリースされた邦楽のアルバムから最高の10枚を選ぶ。今年で10年目。そして最後になる。もうすっかりアルバム単位で音楽を聴いておらず、自分の中でアルバム単位で一年を振り返る必要がなくなったので。

ちなみに今年一番聴いた2019年発売のアルバムは、ここにリストアップしていないNUMBER GIRLの新しいライブアルバム「感電の記憶」だと思う。

選出基準

  • 邦楽のみ。国内で(も)活動するアーティストに絞る。
  • 1アーティスト1枚
  • コンピレーション盤は最大1枚。

集団行動/SUPER MUSIC

SUPER MUSIC (初回限定盤)

SUPER MUSIC (初回限定盤)

AAAMYYY/BODY

BODY

BODY

Tempalay/21世紀より愛をこめて

21世紀より愛をこめて

21世紀より愛をこめて

崎山蒼志/並む踊り

【Amazon.co.jp限定】並む踊り(DVD付)(デカジャケット付)

【Amazon.co.jp限定】並む踊り(DVD付)(デカジャケット付)

  • アーティスト:崎山 蒼志
  • 出版社/メーカー: SMM itaku (music)
  • 発売日: 2019/10/30
  • メディア: CD

ACO/SING SING SING

SING SING SING

SING SING SING

  • アーティスト:ACO
  • 出版社/メーカー: 翡翠
  • 発売日: 2019/11/27
  • メディア: CD

NOT WONK/Down the Valley

Down the Valley

Down the Valley

  • アーティスト:NOT WONK
  • 出版社/メーカー: cutting edge
  • 発売日: 2019/06/05
  • メディア: CD

THA BLUE HERBTHA BLUE HERB

THA BLUE HERB

THA BLUE HERB

Answer to Remember/Answer to Remember

Answer to Remember (完全生産限定盤)

Answer to Remember (完全生産限定盤)

  • アーティスト:Answer to Remember
  • 出版社/メーカー: SMJ
  • 発売日: 2019/12/04
  • メディア: CD

ROTH BART BARON/けものたちの名前

けものたちの名前

けものたちの名前

  • アーティスト:ROTH BART BARON
  • 出版社/メーカー: felicity
  • 発売日: 2019/11/20
  • メディア: CD

相対性理論/調べる相対性理論

過去の10枚

2018年の邦楽10枚

http://metaparadox.hatenablog.com/entry/2018/12/31/230000

2017年の邦楽10枚

http://metaparadox.hatenablog.com/entry/2017/12/31/140000

2016年の邦楽10枚

http://metaparadox.hatenablog.com/entry/2016/12/25/090000

2015年の邦楽10枚

http://metaparadox.hatenablog.com/entry/2016/01/02/184449

2014年の邦楽10枚

http://metaparadox.hatenablog.com/entry/2014/12/31/132004

2013年の邦楽10枚

http://metaparadox.hatenablog.com/entry/20131231/1388501652

2012年の邦楽10枚

http://metaparadox.hatenablog.com/entry/20130115/1358261719

2011年の邦楽10枚

http://metaparadox.hatenablog.com/entry/20120118/1326889267

2010年の邦楽10枚

http://metaparadox.hatenablog.com/entry/20110411/1302534280

2019年の100曲 (Spotify)