いとしのムーコ

いとしのムーコ(1) (イブニングKC)

いとしのムーコ(1) (イブニングKC)

ああもうムーコかわいい!かわいいかわいい!もう、かわい過ぎてかわいい!かわいい!かわいいかわいい!
ゲシュタルト崩壊する前にかわいい以外の表現をすべきなのだけれど、純真なかわいさに対してよく表現される「天使みたいにかわいい」なんて比喩はしっくりこない。天使なんて白い子供のようなかわいさではなく、そもそも喩えることができるかわいさではなく、ただムーコとしてかわいいのだ。かわいい。

ムーコはいぬなのだけれど、「犬」とか「わんちゃん」みたいなカテゴライズを避けたくなるかわいさ。いぬなのだけれど、犬と言いたくない、「INU」というヌルッとした響きに閉じ込めることができないかわいさ。ムーコ、こまつさん、うしこうさん、犬や人間なんて関係なくフラット。かわいい。文脈無視してかわいいと漏れてしまうくらいかわいい。

躍動するムーコが本当にかわいい。単なる動きの一コマでにやけてしまう。ただムーコが動いているだけのシーンでにやける。にやけの連続で表情筋が躍動しすぎて、普通の表情に戻すのが大変になる。でも、かわいいのだから仕方が無い。かわいい。
動作の観察力とデフォルメしての表現力が見事で、いぬを飼っている人なら分かる「あるあるポーズ」が満載。一ページ一ページ、一コマ一コマ、ムーコの動きが見逃せない。

イブニング連載の6ページを読むだけでも心のかわいさバケツが満杯になるのに、その連載がまとまった単行本は最早かわいさのわんこそば状態。薄い単行本だけれども十分満たされる。


と、ここまで「かわいい」をひたすらアピールしたものの、過剰に動物の可愛さをアピールする漫画ではない。いぬとの生活ってこんなに楽しい!というその一点に特化した描写により、結果的にかわいさに溢れてしまっている漫画。かわいさが押し付けがましくないので読みやすい。

犬を飼っている人に「ウチの子可愛いでしょ!」と色々アピールされるのだけれど、それが全然伝わってこなくて当惑した経験がある方、この漫画を読めば理解できる、かも。
「ウチの子は何してもかわいい!」の境地に達することができる漫画。お勧め。