【レビュー】SENNHEISER MOMENTUM True Wireless
Bluetoothイヤフォンとして普段使いしていたSENNHEISERのMOMENTUM In-Ear Wirelessを紛失してしまった。しばらくはSony WH-1000XM3とBose SoundSport Free wireless headphoneを使っていたのだけれども、どうも「MOMENTUM」の音が恋しくてしょうがなくなったので、買い増しを検討することにした。
MOMENTUM In-Ear Wirelessにはかなり満足していたので、同じ機種を買い直すのも選択肢の一つだったのだけれど、折角またお金を出すなら違う機種に挑戦しようということでこのMOMENTUM True Wirelessを選択した。単純にこのフォルムに一目惚れしたというのもあるけれど......。折角なのでこのMOMENTUM True Wirelessのレビューを書いておく。
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レビュー
◎Bluetoothの接続品質
接続品質は良い。ただ瞬断が無いわけではない。梅田のJR大阪~グランフロント辺りはやっぱり切れる。このエリアはもうSony WH-1000XM3でもSENNHEISER MOMENTUM In-Ear Wirelessでも接続がブチブチ切れる魔のエリアなので、今のところはiPhoneでBluetoothヘッドフォン・イヤフォンを使うなら瞬断は宿命だと諦めるしかないと思う。なおこのエリア以外では全く切れていないので、少なくともBose SoundSport Free wireless headphoneより接続は安定していると言える。
◎音声遅延
完全ワイヤレスイヤフォンなのに音声遅延がない。音に違和感無く動画が観られる。SoundSport Free wireless headphoneのレビューで、完全ワイヤレスイヤフォンにおいて音声遅延は宿命だと書いたのだけれども、克服している機種もあった。値段が高い機種は違うなと感心した。
◎音質
これぞMOMENTUM。中低音の解像度が尋常ではなく、他のイヤフォンでは感じられなかった音像が現れる。楽器が場所と一緒に見えるよう。楽器以外の音の再現も鳥肌で、フィールド系の音が鳴ると「これが水なのね!」「森の中、樹の上にいるみたい!」みたいに新鮮な気持ちにさせられる。他のイヤフォンやスピーカーと音の鳴り方が異なるのを楽しめる人にはピッタリの機種で、一度この気持ちよさにハマると抜け出せなくなる。
音源の質を問わずにある程度のレベルで気持ちよく聴かせてくれるのもMOMENTUMの特徴で、どんなジャンルでも80点以上で鳴らしてくれる。Spotifyのプレイリストを適当に流してみよう、といった音源を限定しない聴き方をする場合には特にお薦めできる。
また一部のMOMENTUMシリーズのように高音が潰れてサウンドが安っぽくなっていないのも高ポイント。高中低全ての音がちゃんと鳴って「音が良い」印象と、耳ざわりの良い部分の高解像度で「気持ちいい」印象が両立している、絶妙なバランスのMOMENTUMになっている。
逆にモニター系、ハイレゾ系を求める人には全く向いていない。素直な音を求める人はSony WF-1000XM3を選んだ方がきっと幸せになれると思う。またMOMENTUM True WirelessとWF-1000XM3を聴き比べて迷ったなら、値段の安いWF-1000XM3を選んだ方がいい。MOMENTUM True Wirelessを選ぶべき人は、この二つの機種の音質が同じ土俵に乗らないので。
◇装着感・快適性
付属のイヤーチップがひどい。イヤーチップだけで本体を支える構造になっているのだけれども、付属のイヤーチップがしっかりとは本体を支えてくれず、耳のいい位置に本体が収まってくれない。本体を指で支えて押し上げた方が明らかに良い音が聞こえるし、支えが心許ないと耳から脱落する不安もある。イヤーチップなんて好みの世界だろと正直思っているけれど、この機種に関してはちゃんと本体が支えられるイヤーチップに変えた方がいい。
ということで、イヤーチップはCOMPLYのTG-200に変更して使っている。遮音性が上がって一石二鳥だ。なおこの機種には「Transparent Hearing」という一時的に外部音を取り込んでくれる便利モードがあるので、耳に本体を装着したままでも、売店での簡単な買い物の会話などは問題なくできる。着脱が億劫な機種なので、外さなくていい機能があるのはありがたい。
◇デザイン
デザインは良い。高級感がある。ただ全体の形状が丸っこく持ちにくいのが難点である。
銀色のキラキラしているパーツにタッチして操作ができるのだけれど、装着するときにこのパーツに触ってしまうと誤作動してしまう。なので、黒い部分だけを上手く掴んでケースから外し、耳に装着する必要がある。この取り扱いには結構気を遣う。完全ワイヤレスイヤフォンにとって屋外での落下は紛失に直結するので、もう少し持ちやすさも考えて欲しかったとは思う。
◎再生時間・付属ケース
製品仕様によると、本体だけで約4時間の連続再生が可能、更に付属ケースに内蔵されているバッテリーから本体のフル充電が2回可能で、約8時間の再生時間が追加できる。再生時間は正直あまり長くない。ただイヤフォンを耳に装着していない時間はケースに戻しているので、自ずと本体はケースのバッテリーでこまめに充電されることになり、本体だけの連続再生時間を意識することはあまりない。あと充電はUSB Type-Cの接続になることに注意。
△本体操作
両耳それぞれの銀色パーツ部分を、シングルタップ、ダブルタップ、トリプルタップ、ロングタップすることで色々な操作をすることができる。
SoundSport Free wireless headphoneの固い物理ボタンより便利ではあるけれど、ダブルタップ、トリプルタップが結構難しい。装着中に銀色パーツを狙ってタップすることがかなり難しいので、ダブルタップをしたい場合は「シングルタップしてみて反応音があったらすぐもう一回同じ場所をシングルタップする」という意識で操作する必要がある。面倒だ。
前述した便利モード「Transparent Hearing」のオン/オフが右側イヤフォンのダブルタップなので、このダブルタップの操作は避けて通れない。慣れると成功率は上がってくるのだけど、シングルタップに割り当て変更ができたらなあとは思う。ファームウェアの更新での対応に期待したい。
まとめ
誰にお勧め?
- 屋外で気持ちよく音楽を聴きたい人
- MOMENTUMサウンドが好きな人
誰には勧められない?
- モニター系、ハイレゾ系の音質を求めている人(Sony WF-1000XM3を検討しよう)
- 不器用な人
- 予算が3万円以下の人(SENNHEISER MOMENTUM In-Ear Wirelessを検討しよう)