【レビュー】Bose SoundSport Free wireless headphone

Bose SoundSport Free (ULTRAVIOLET)

ジムでのトレーニング中に愛用していたBluetoothレシーバーを誤って洗濯し壊してしまったので、代わりになる新しいBluetoothイヤフォンを探して視聴して悩んだ結果、思い切ってBose SoundSport Freeを買った。トレーニング用途のみに限定して使うには値段が張るけれども、普段使いするには使い勝手に癖があって、Amazonなどのレビューでも賛否両論のこの機種、やや不安を抱えながら注文した気持ちを思い出しつつレビューを書くことにした。購入してからまだ一ヶ月程度だけれども、悪評に購入を躊躇している人の参考になれば。

メーカーサイト

https://www.bose.co.jp/ja_jp/products/headphones/earphones/soundsport-free-wireless.html

レビューの利用環境

  • iPhone XRBluetooth接続してSpotify(最高品質)、「ミュージック」アプリなどから音楽を再生。
  • 他のBluetoothヘッドフォンとして、「Sony WH-1000XM3」「SENNHEISER MOMENTUM In-Ear Wireless」を所有。「他のヘッドフォン」と書いている場合はこの両機種が前提。

レビュー詳細

Bluetoothの接続品質

Amazonなどのレビューでも批判されがちな接続品質だけれども、確かに他のBluetoothヘッドフォンと比べても瞬断する頻度は多いような気はする。しかし毎日瞬断が発生する訳ではないし、他のヘッドフォンでも瞬断ゼロはあり得ないので、不当に低い評価をされているようにも思う。接続品質は利用する場所やシチュエーションにも左右されるので、この一ヶ月での具体的な状況と印象を書いておく。

この機種を常用するようになって約一ヶ月、関西の繁華街へよく出掛けていたのだけれど、切断が頻繁に発生したのは、梅田のJR大阪~グランフロント辺り。ただここは他のヘッドフォンでも切断がよく発生する魔の区域であり、帯域が混雑しているのだと思う。他で頻繁な切断を体験したのは四条河原町の土曜夕方に一度。この時もかなりの人混みの中だった。切断が酷かった体験はその位で、梅田の他のエリアや心斎橋、JR京都エリア、電車の車内での頻繁な切断は体験していない。なおジムでのトレーニング中はこの一ヶ月では切断知らず。

なので首都圏などの猛烈に混雑するエリアでの利用ならお勧めできないけれども、人が密集しないエリアや、スポーツやトレーニング中の利用なら問題ない接続品質だと思う。そもそも遮音性があまり高くなく、ノイズキャンセル機能もない機種なので、主に人混みで使う想定ならこの機種を選ぶ必要はない。

△音声遅延

音声遅延は他のヘッドフォンと比べても明らかにあって、音に合わせてアクションするようなゲームは楽しめない。これは両耳のイヤフォンがケーブルで繋がっていない「完全ワイヤレスイヤフォン」の宿命らしいので、ゲームで遊んだり動画を見たりするなら、他のタイプの製品を選ぶ方が賢明だと思う。

◎音質

スポーツ用でも妥協がない、音質はさすがのBose品質。全体的に解像度が高くすっきりしていて、音場も広め。特に低音の表現力が緻密で素晴らしい。Boseの低音は評価が高いけれども、これは他社では潰れがちな低音を表現する性能が高いからであって、ブリブリ強調して存在をアピールする他メーカーの低音とは性質が異なる。もし低音に刺激を求めるのであれば他メーカーの製品を選ぼう。

なおこの機種は素直に音源を表現するタイプなので、音質が悪い音源はそのまま音質悪く鳴ってしまうことには注意。一昔前に流行した音圧をひたすら上げた音源や、マスタリングの甘いインディーズ音源を再生すると、ザラザラペラペラに鳴って聴くに堪えないこともある。音源によっては数千円のイヤフォンにも劣ってしまう「音質の悪さ」になる機種なので、可能であれば普段よく聴く音源で試聴してみると良い。

◎装着感・快適性

イヤーチップ「StayHear+ Sport tip」の形状が素晴らしく、本体を耳に差し込んで90度回すだけで耳にがっちりホールドされる。完全ワイヤレスイヤフォンとしても、トレーニング用としても、何かの弾みで耳からポロッと外れてしまうことは許されないのだけれども、装着に手間が掛かるのは面倒だし、耳に巻き付けて固定するのは耳に負担なので、結構重要なポイント。このチップはホールド力と耳への負担の軽さが両立できていて、装着に手間が掛からない上に安心感がある。素晴らしい。

イヤーチップはS/M/Lの3種類が付属しており、耳の穴の大きさではなく、耳の溝に引っかけるポイントでサイズを選ぶことになる。他のイヤフォンのイヤーチップとはサイズの選び方が異なるので、購入したら複数のサイズを試してみると良い。

◇デザイン

他社の完全ワイヤレスイヤフォンと比べても大きめ、イヤリングのような存在感で、かなり目立つ。街中では濃い青色の「ミッドナイトブルー」を装着している人を見かけるけれども、このカラーはインナーの黄色が横から見えるのが目を惹くし、カジュアルに映る。またこのブログの写真の機種は紫が基調の「ウルトラバイオレット」で、これは普段使いしていると二度見三度見されるのが日常茶飯事。そういった視線に慣れない人は黒色の「トリプルブラック」を選ぶといいけれど、それでも目立つのは目立つ。Boseが好きだったり、スポーツやトレーニング用としてなら、丁度良い見栄えのデザインだとは思う。

◎再生時間・付属ケース

製品仕様によると、本体だけで約5時間の連続再生が可能、更に付属ケースに内蔵されているバッテリーから本体のフル充電が2回可能で、約10時間の再生時間が追加できる。ただイヤフォンを耳に装着していない時間はケースに戻しているので、自ずと本体はケースのバッテリーでこまめに充電されることになり、本体だけの連続再生時間を意識することはあまりない。

またケースを空ける度にケースバッテリーの残容量を表示してくれて、ケースの充電不足を気付かせる工夫がある。(他の完全ワイヤレスイヤフォン機種でも同じなのかもしれないけれども)この残容量アピールはとても親切だと思う。Bluetoothイヤフォンを使っていると充電不足に泣かされることが多々あるけれど、充切切れ対策に必要なのは、本体の再生可能時間の長さではなく、いかに充電不足に気付ける仕組みになっているかだと思う。この機種を使って一ヶ月、この表示のおかげで充電切れになったことは一度もない。

△本体ボタン

本体には再生ボタン、音量調整ボタン、Bluetoothボタンが付いているけれども、このボタンがかなり固い。スポーツ中の誤動作を防ぐためなのかと思うけれども、本体を親指人差し指でぐっと力を入れて摘まむようにボタンを押すのは、使い勝手が良いとは言えない。また音声の遅延と同じく、ボタンへの反応も遅延するので、ボタンがちゃんと押せたのかどうか分からず、二度押ししてしまったりすることもあり苛々する。なので結局本体ボタンは飾りになっている。不便だ。また本体に電源ボタンがなく、ケースへの着脱が電源のオンオフを兼ねている点も戸惑いがあると思う。

まとめ

誰にお勧め?

  • スポーツ中やトレーニング中、快適に良い音質で音楽を楽しみたい人
  • Boseの音質をいつでもどこでも手軽に楽しみたい人

誰には勧められない?

  • ラッシュや混雑する人混みで使う想定の人
  • 目立たないBluetoothイヤフォンを探している人
  • 音声遅延が気になる使い方をする人