SUMMER SONIC 2014 Osaka 二日目 (2014.08.17)


VINTAGE TROUBLE

ファンクでブルージーなロックバンド。特にこのバンドについての知識は無かったのだけれど、一昨年のSUMMER SONICで話題になったらしいとの友達の勧めでOCEAN STAGEに観に行った。

一曲目からボーカルのタイ・テイラーがステージを縦横無尽に動き、あっという間にメインステージの観客をロック。これぞファンクシンガーと言いたくなる軽快なステップとエモーショナルなボイスが、真夏の炎天下のメインステージというシチュエーションにぴったりで、観客は踊らにゃ損とばかりに浮かれ出し、そこからはお祭り状態。MCの煽りにも観客は阿吽の呼吸で反応。一体感とはまさにこのことだ。動きと音楽で伝わる「言語」がそこにはあった。

BABYMETAL

MOUNTAIN STAGEに多くの観客が集結。興味本位の観客が集まったのかな、と思いながら後方で眺めていたところ、曲が始まるなり近くの観客が訓練された動きをし始めたので驚いた。活動拠点の東京からは大きく離れたこの大阪に、多くの「BABYMETALファン」が集まってきていたのだ。

MOUNTAIN STAGEに集まった大量のファン、そしてそれに負けない、余裕すら感じさせるBABYMETALのパフォーマンス。クオリティの高さに十分満足した一方で、きっとこの短い時間のステージはBABYMETALの魅力の半分も引き出せていないだろうとの確信もあり、末恐ろしくなった。まだまだいくよー!

ROBERT PLANT AND THE SENSATIONAL SPACE SHIFTERS

伝説の男を目撃しよう、との感覚で観に行ったけれど、Robert Plantはまだまだ現役だった。Robertのボーカルの質や動きがとてもセクシーで、これがロックの最前線に立ち続けた男の色気か!と衝撃を受けた。QUEENのBrianもそうだけれど、老いてなお現役のロッカーの格好良さよ。

Arctic Monkeys

ライブを観た直後は感想が難しいライブだったのだけれど、家に帰って音源を聴きながらライブを振り返ると、色々見えてくるものがあった。

3rdアルバム「Humbug」の方向転換によって、急にバンド像が掴めなくなってしまったArctic Monkeys。しかしながらこのライブによって「Arctic Monkeysというバンドの今の捉え方」が理解できたかもしれない。

今回のライブは5thとなる最新アルバム「AM」の根底に流れていた、タイトでヘヴィなサウンドがベース。5th以外の曲は5thのテイストで再構築されていて、前のSUMMER SONICのライブと比べると一見地味。しかし振り返ると、この地味さは完成度の高さの裏返しではなかったか。

例えば、初期のキラーチューンである「Brianstorm」「I Bet You Look Good On The Dancefloor」は曲の速さはそのまま残しつつ重量感が増したアレンジとなっていたのだけれど、これは前のSUMMER SONICで聴いた時より踊れた。当たり前のように気持ち良かったのでうっかりしていたけれど、この二曲は今のArctic Monkeysのヘヴィな演奏になって「完成」したと言って良いと思える。速さに重さが加わったら攻撃出力が最高なのは当然で、そんなバンドが最高なのも当然だ。

なるほどArctic Monkeys、実は遠くの完成形を目指して一つ一つ積み上げていたのかもしれない。それを短絡的にしか見られなかったので、「迷走?」と捉えてしまっていたのかもしれない。新譜のサウンドはベテランバンドのような落ち着きが全編に現れていたけれど、ライブでは過去のアルバムの要素が垣間見え、それがライブ全編通しての「味」となっていた。漆塗りのようなバンドだ。