SUMMER SONIC 2014 Osaka 一日目 (2014.08.16)


ROBERT GLASPER EXPERIMENT

ピアニスト「ROBERT GLASPER」のバンド「ROBERT GLASPER EXPERIMENT」、ジャンルはJazz、Hip-Hop。この辺りは特によく聴くジャンルではないのだけれど、そんな門外漢でも分かる明解な格好良さがステージにはあった。「上手い演奏は、曲を知っていようがいまいが楽しめる」なんて、当たり前のようでなかなか出会うことがないのだけれど、久々にそんな演奏に出会うことができた。

ピアニストのワンマンバンドかと思っていたのだけれど、四人が対等に絡み合うような演奏だった。ドラムとピアノがひたすら掛け合いをする。それだけでその場が何十分も持ってしまいそうな濃密さがそこにはあった。雨で押してしまったせいで演奏が少し削られてしまったのは残念。

きゃりーぱみゅぱみゅ

SONIC STAGEが超満員。数年前のPerfumeの盛り上がりを再現するかのような人気だった。

実物のきゃりーさんは文句なくかわいい。そりゃかわいさを追求したかわいさの権化なのだから、文句があるはずない。かわいい女の子が歌って踊るんだからそりゃもう天国だ。しかし、USJハリー・ポッターのアトラクションに行きたい、とのMCの流れで「私、ドラコ・マルフォイがすっごいタイプなんですよ」と言った瞬間には世界の終わりが見えた。ああ、なるほど。

METRONOMY

前にSUMMER SONICで観た時よりライブ性が大きく上昇していて驚いた。

新譜は非常にセンスフルであった一方で、地味であったことも確かで、ライブ映えするかは未知数だった。更に前のSUMMER SONICでの演奏が今ひとつだったことも覚えている。あまり期待はしていなかった。

しかし蓋を開けてみると、そこには質の高いライブバンドの演奏があった。音源をベースとしながらも、突然弾け出して枠を大きくはみ出してくる楽器達に喝采。このパッションをもっと音源で見せたら良いのに……と思うけれど、音源には音源の、METRONOMYが考えるこだわりがそこにはあるのだろう。

森高千里 with tofubeats

青いミニスカワンピが似合ってかわいい。実は年齢が止まっているのではないかとすら思える、この年齢を感じさせない佇まいになにか錯覚を起こしそうになったけれど、MCで安定したトークが始まって安心した。このラジオ番組のような密度の高いトークがMCでできるのは間違いなく森高千里45歳だ。

ライブを観ていて、活動再開してtofubeatsと組んだという選択肢を選んだことを評価したいと感じた。この日のライブではtofubeatsが本領を発揮しはじめると、客席からは四、五十歳代位の方が少しずつ脱落する一方で、若者はより大きな歓声を上げていく展開に。既存の客を囲い込んで吸い上げるのではなく、新たなチャレンジをすることを取ったこのアクション。さすが森高千里と言いたい。

QUEEN + Adam Lambert

最高の「エンターテイメントショウ」だった。

Queen + Adam Lambert Setlist at Summer Sonic Osaka 2014

QUEENAdam Lambertをボーカルに迎えるとの話を知ったときには「なるほどそれは面白い人選だ」と思ったものの、実際にライブを観るとなると「Adam?どうなるの?」と思ってしまったのは確か。事前にQUEEN + Adam Lambertのライブ映像をYoutubeでいくつか観てみるものの、パフォーマンスは良さそうだが声は当然違う。これで盛り上がる事ができるのかは実際観てみないと分からないなと不安は解消されず。でも期待はパンパンに膨らませながら臨んだ。

開演し、Adam Lambertがステージに出て数秒、不安はあっという間にかき消えてしまった。
Adamのボーカルとしてのカリスマ性の高さが規格外だった。大きく年齢に差があるQUEENのメンバーと同じステージにいても全く違和感がない。Youtubeで観た映像と決定的に違ったのはAdamのオーラで、生で観ると彼の振る舞いから全く目が離せない。このステージはスマートフォンやPCのウィンドウ画面で見るものではそもそもないのだ。生で、肉眼で観るべきなのだ。

Freddie Mercuryとは異なるものの、間違いなく超一流のヴォーカリストであるAdam Lambert。このボーカリストを懐深く包み込み、十分に輝かせているのがQUEENBrian MayQUEENの音源にて何度も何度も聴いて染みついたあのギターフレーズを鳴らし、何度も何度もぐっと心を掴んでくる。Brianはもう67歳なのだけれど、彼のギターは間違いなく生涯現役だ。

この、今が最高のエンターテイナー達が演奏するQUEENに熱狂しないわけがない。「Now I'm Here」で即沸騰、「Another One Bites the Dust」で大興奮、「Killer Queen」に魅せられて「Somebody to Love」で大合唱。中盤はBrian MayによるFreddieの追悼パート。ここから「I Was Born to Love You」で加速して「Bohemian Rhapsody」で昇天。こんな曲の抜粋だけでもお腹一杯なのに、アンコールに「We Will Rock You」「We Are the Champions」とくればもう、何も言葉は要らない。

SUMMER SONICには何度も足を運んだけれど、過去最高に満足度が高かったヘッドライナーだった。何度も書くけれど、最高。