君と僕とのMATSURI SESSION in なんばHatch (2007.08.28)

銀杏BOYZのライブを振り返るべく古い日記を掘り返していたら、面白いライブの日記があった。改めて公開したくなったので下書きを手直しして公開する。もう一度行きたいなあこのライブ。

開演まで

日頃の行いが良く夢番地先行が取れたので、張り切って会社を休んでZAZEN BOYS銀杏BOYZの対バン「君と僕とのMATSURI SESSION」に行ってきた。唯一無二のライブが楽しめるこの二組の対バン。贅沢の極みだ。恐らく二度と無いだろうこドリームマッチに、なんばHatchの開場前から全く落ち着くことができなかった。

ZAZEN BOYS

まずはZAZEN BOYSから。Tシャツの分布からは観客の約七割が銀杏BOYZファンのように見えたので、ワンマンのように盛り上がるか少し不安だったが、全くの杞憂だった。

ZAZENのセットリストは先のツアーのセットリスト総集編。まずは名刺代わりに「RIFF MAN」で切り込んで一気に場を盛り上げる。「RIFF MAN」は聴く度に展開が格好良くなっている気がする。異なる角度から何度も繰り返される昇り龍がたまらんな。「HIMITSU〜」から「HARD LIQUOR」や「MABOROSHI〜」から「IKASAMA〜」の展開は総集編でも鉄板の流れ。ワンマンのような雰囲気をたちまち作り出してしまった。

対バンだからファン以外には知名度のない新曲は封印されるかと思いきや、中盤では三曲連続で新曲を演奏。攻めるなあ。「DARUMA」はリズムの変態振りが最高。これは高度な音楽一発ギャグだわ。誰でも笑える。音源が出た暁には是非譜面に起こしてニヤニヤしたいところ。

ライブの最後に持ってきたのはなんと「半透明少女関係」。この間のツアーの京都磔磔ではこの曲は聴けなかったこの曲、前に聴いた時よりもアレンジが大きく変わっていた。向井さんはギターではなくシンセに向かって、非常にグルーヴィーな演奏を披露。しかしながら、フロアが一体となって狂乱状態となるような疾走感、爆発力は失われてしまっているように思えた。

少し残念だが予定調和のライブを期待している訳ではないので仕方が無い。単なる音源の再現や過去の演奏をなぞるライブなら足を運ぶ必要はないのだ。

それにしても、汗が止まらない。

銀杏BOYZ

後攻は銀杏BOYZ。ステージにメンバーが姿を見せるなり、あちらこちらで騒乱が勃発。さすが銀杏BOYZ、観客の熱気が最初から尋常ではない。皆ステージの峯田さんとの距離を一ミリでも縮めたがるため前方エリアの圧力が非常に激しい。前列で人が倒れ演奏が中断されることがしばしば。圧力を避けて少し下がってみても、中央では喧嘩が起こっている。観客は皆獣のようにテンションが上がり、聴いたことがあるメロディへ反射的に反応して喚く。雄叫びを上げる。誰も音程を気にしていない。ただ心のままに喚くだけ。

記憶から掘り出される断片で、知っている曲が演奏されたことは分かるのだけれど、どんな演奏だったかは覚えていない。激突するメンバー、ドラムとノイズ、転倒するメンバー、挑発。これは「演奏」なのだろうか?まるで夢を思い出すように現実感がない。

中盤に披露された新曲「あいどんわなだい」は聴いたことがありそうで(実際何かのリフを拝借してるのかもしれないが)懐かしく感じられる佳曲だった。単純そうで単純ではない。銀杏BOYZの曲は皆そうだ。後から冷静に聴くとノイズだらけの酷い演奏なのだろうが、その場にいると新曲でもすっと把握できて一緒に騒げる。これは魔法だ。

「僕たちは世界を変えることができない」でなんとか場が収まって終了。間違いなく楽しい。しかし間違いなく体力の限界を超えた。ただ半笑いで立ち尽くす。

この日は「SKOOL KILL」は演らなかった。「SKOOL KILL」は酒鬼薔薇くんがライブに来るまで演り続けるはずだが、彼はライブに来たのだろうか……。

アンコール

銀杏BOYZ終演後、「やるなら今しかねえぞ」との大アンコールの中、ZAZEN BOYSのセットが出てくる。アンコールはまさしく「やるなら今しかない」ZAZEN BOYS銀杏BOYZのセッションだった。

曲は「KIMOCHI」。向井さんが他7名のメンバーを指揮する。「KIMOCHI」は静と動が対照的な曲であり、「動」での各メンバーの突き抜け振りは胸に刺さった。ギターもドラムもベースも変態だった。ボーカルは飛び抜けて変態だった。ギターは飛び散りシンセは台に叩きつけられた。変態達が暴れ合うことで調和するこのステージ、これはまさしくMATSURIだ。NATSUMATSURIだ。

演奏後、向井さんと峯田さんが握手をした。その最高の瞬間に「ありがとう」と思わずステージに叫んだ。

汗だくだったので、帰りにこのセッションの記念Tシャツを着て帰った。黄色地に2バンド8人の顔が大きく並んでプリントされている素敵なTシャツだ。帰りの阪急電車神戸線で少なくとも5人に二度見された。最後まで非常に満足できた一日だった。

セットリスト

ZAZEN BOYS
  • RIFF MAN
  • HIMITSU GIRL'S TOP SECRET
  • HARD LIQUOR
  • MABOROSHI IN MY BLOOD
  • IKASAMA LOVE
  • DARUMA(新曲)
  • CITY DREAMING(新曲)
  • I DON'T WANNA BE WITH YOU(新曲)
  • COLD BEAT
  • Friday Night
  • 半透明少女関係
銀杏BOYZ(覚えている範囲で)
  • 人間
  • No Future No Cryとか
  • 駆け抜けて青春とか
  • 援助交際
  • あいどんわなだい(新曲)
  • 東北新幹線はチヒロちゃんを乗せて
  • 夜王子と月の姫
  • BABY BABY
  • 光(新曲)
  • 僕たちは世界を変えることができない
アンコール