2014年の邦楽10枚

2014年にリリースされた邦楽のアルバムから最高の10枚を選ぶ。

選出基準

  • (表題通り)邦楽のみ。国内で(も)活動するアーティストに絞る。
  • 1アーティスト1枚
  • サントラ盤・コメディは除く。
  • コンピレーション盤は最大1枚。
  • シングルは除く
  • 映像作品として販売されていたものに付いてきたCDは対象外

過去の10タイトル

2013年の邦楽10枚

http://metaparadox.hatenablog.com/entry/20131231/1388501652

2012年の邦楽10枚

http://metaparadox.hatenablog.com/entry/20130115/1358261719

2011年の邦楽10枚

http://metaparadox.hatenablog.com/entry/20120118/1326889267

2010年の邦楽10枚

http://metaparadox.hatenablog.com/entry/20110411/1302534280

くるり/THE PIER

一聴してただの名盤かと思ったが、聴き込んでみると超名盤の間違いだったので反省した。

リスナーが「くるり」に課すハードルは年々高くなり、不感症な既存のファンが漏らす感想が新規リスナー獲得への障壁にすらなってしまっているのだけれど、今作はそんな既存イメージからのハードルを軽々と超えてしまった。

統一感のないサウンド、シングル群の存在感の強さなど、一見歪な曲の並びではあるものの、アルバム全体を通して聴くことで、一つの物語として聴き手を没入させてくる引力を持つアルバム。

銀杏BOYZ/光のなかに立っていてね

光のなかに立っていてね *通常仕様

光のなかに立っていてね *通常仕様

銀杏BOYZの9年間が詰まったアルバム。銀杏BOYZのリスナーとしても、一つの区切りを感じさせられた。

坂本慎太郎/ナマで踊ろう

ナマで踊ろう(初回盤)

ナマで踊ろう(初回盤)

胸がざわつく。まずは歌詞が刺激的に思えるものの、二枚目のCDに収録されているインスト曲を聴くだけでも不穏な雰囲気が感じられるし、曲を止めても何か不安感がそこに残っているような気がする。さらには、日常の一コマ一コマで収録曲が脳内で流れ出してくる。聴き手のムードを支配して浸食する音楽。

森は生きている/グッド・ナイト

グッド・ナイト

グッド・ナイト

前作を聴いた段階では、はっぴいえんどティン・パン・アレー系譜を継いだバンドという印象しかなかったのだけれど、新しいバンドに対して簡単にレッテルを貼って分かった気になったら駄目だ。大変化に刮目したアルバム。

サイケやプログレなどの要素を取り込んだ上で、音の肌触りはそのままに保たれている奇跡。「○○に似ている」と安易カテゴライズしてしまうと本質を見逃してしまう。懐が広い。

赤い公園/猛烈リトミック

猛烈リトミック(初回限定盤)(DVD付)

猛烈リトミック(初回限定盤)(DVD付)

前作「公園デビュー」で高まった期待の、更に上を行った赤い公園の傑作。

前作からの「丁寧さ」に加えて新たに「優しさ」が備わり、暖かく聴きやすくなったアルバム。椎名林檎のキャリア同時期と丁度逆の方向を進んでいる気がする。

タルトタタン/Tartetatin Are Allright!

TARTETATIN ARE ALLRIGHT!

TARTETATIN ARE ALLRIGHT!

  • アーティスト: タルトタタン,山本奨,Yuumi (FLiP),澤ミキヒコ(ふぇのたす),諸石和馬(Shiggy Jr.),張江浩司(来来来チーム),森夏彦(Shiggy Jr.),柴田裕史(来来来チーム),ヤマモトショウ(ふぇのたす)
  • 出版社/メーカー: EMISSION ENTERTAINMENT
  • 発売日: 2014/09/24
  • メディア: CD
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メンバー全員脱退、プロデューサー交代。もうタルトタタンには「女の子が二人で歌う」というコンセプトしか残っていないな……と思っていたら、なんとメンバー増員で三人に。

しかし、ここまで変わっても何故かタルトタタンは外さない。過去作から引き続いた魅力はリセットされた一方で、ヤマモトショウさんのプロデュースがばっちりハマって面白いアルバムができてしまった。旧相対性理論ナンバーガールの流れを混ぜたら偶然良いものが生まれた……なんて訳ではなく、きっとヤマモトさんの「音楽を形作る才能」が素晴らしいのだろう。

OLEDICKFOGGY/新世界

新世界

新世界

小難しい音楽ばっかり好んで聴こうとしてるみたいだけど、結局こういうインディーズパンクロックバンド好きだろ?と囁かれた気がした。心の奥底から衝動が湧き上がってくる、無骨な楽曲達が愛しくて仕方ない。

Vampillia/the divine move

the divine move

the divine move

真部さんのポップネスとVampilliaの暴力性がタッグを組んだ結果、心地良く爆音の奔流が胸に突き刺さる楽曲が完成した。統制の取れた音楽は轟音であってもむしろ快感である、ということが冷静に理解できるアルバム。

Wienners/DIAMOND

DIAMOND(初回限定盤)

DIAMOND(初回限定盤)

BOREDOMSの影響丸出しである一方で、ポップ。こんな音楽の積み重ね方があって良いんだと、目から鱗が落ちた。

曽我部恵一/まぶしい

まぶしい(限定盤)

まぶしい(限定盤)

曽我部さんの感情がストレートに表現されたアルバム。音楽的な手法は多岐に渡るものの、それらは全てメッセージを伝えるために必要な手段として用いられており、無駄がない。活動の幅が広がっても、曽我部さんの活動の根底は何も変わらないことが分かるアルバム。