LAMA@心斎橋JANUS (2013.01.27)

LAMAの初単独ツアーとなるModanica Tourの初日に行ってきた。

LAMAのライブは一昨年のみやこ音楽祭ぶりの二回目。前回観た時はまだ即席感が漂っていたけれども、今回はバンドの完成度が高まっていることが実感できる演奏だった。


アルバム同様に「For You, For Me」で開幕。2曲目「White out」でエンジンがかかる(軽くイントロで失敗してしまったおかげで雰囲気が軽くなったかもしれない)。

前のライブでも思ったけれど、やはりライブでは田渕さんのギターが良い。ミキさんのボーカルと田渕さんのギターが、あたかもツインボーカルのように鬩ぎ合っていく。LAMAというバンドではボーカルとギターが等価にもなるのだ。

このまま新譜の曲順のまま流れるかと思ったけれど、3曲目でファーストシングルの「Spell」へ流れ、この辺りから観客の反応も良くなってくる。この日は、レコ発らしく新譜中心だけれども所々旧譜の曲も組み込まれる構成だった。

4曲目「Rockin' Your Eyes」から5曲目「Strawberry Burn」。この曲が田渕さんギター中心に、全面的に音が攻める構成になっていてとても刺激的だった。音源では各楽器が絶妙なバランスで混ざり合っていくことに驚いた曲だったけれども、ライブではそれとは異なるバランス構成で、しかしバンド全体としてバランスが取れていることに驚いた。

音源と同じバランス構成でライブを演るのではなく、ライブではライブに適したバランス構成で演る。文章で書くと当たり前のようだけれども、それができているバンドは少ない。LAMAは一騎当千のメンバーが揃っているからできるのだろうし、LAMAを一時的なバンドとは考えていないのだろうなあと実感した。

ここからModanicaの暗めの曲が続く。ナカコーボーカル中心の「In The Darkness」の渋さったらもう。途中で挟まったシングルも「Fantasy」とまた渋い曲。

その雰囲気を変えたのが「D.B.A.」。まず、牛尾さんの四つ打ちキックがフロアを支配。agraphとしての一面が光った、電気のライブですかこれはと言いたくなるようなサウンドに、他メンバーが音をぶつけて密度を高めていく。ロックとエレクトロニカが本気で殴り合っている。密度が高まるも、一つ音が消えるとバランスが崩れてしまいそうな緊張感と存在感がある。これだ、これだわ。これこそLAMAに望んでいた音だわ!と内心大喝采。

そこから「Parallel Sign」「Know Your Rights」とシングルとそのカップリングが続いてフロアも最高温度へ。「Know Your Rights」では牛尾さんが腕を振り上げて観客を煽り、フロアの熱量も上がる。「Parallel Sign」「Know Your Rights」と、ファーストアルバムにはなかったライブ用キラーチューンが出来上がって良かった。「Know Your Rights」なんてシンプルに盛り上がることができる曲はLAMA単独では生まれなかったと思うし、エウレカAO様々だなあ。

本編ではMCはほぼ無かったものの、アンコールでの再登場では牛尾さんがMCで和やかに盛り上げる。メンバー紹介で皆を弄る牛尾さんから発せられる下っ端感ったらもうね。絡む側から下っ端感が出てるってどういうことよ。

アンコールの一曲目「Cupid」を演奏し、これでシングルは総て演奏。牛尾さんが自重しないこの「Cupid」の演奏がとても良かった。ライブでしか聴けないのが勿体ないなあ。ラストは「Dreamin'」(だったよね?)。Niji大好きっ子としては「Seven Swell」を演奏するどうかちょっと期待したのだけれど、やっぱり難しいか。


新譜の「Modanica」が緻密なミックスによって構成された音源だったので、これをライブでどう表現するのかが今回のポイントだと思って臨んだけれど、完全にライブ用の別ミックスとして各曲が構成され直されており、音源とはまた別の楽しみ方ができたライブだった。緻密さはスタジオ音源には及ばなかったけれども、元々の計算された構成にライブでの雑味がプラスされた結果、想像以上の化学反応が起こっていた。

今回のツアーは東京と大阪の二か所だけで、バンドの知名度から考えるととても小規模だ。各メンバーが忙しいので難しいとは思うけれど、もっと多くの場所でライブを演って欲しい。このライブは聴く価値があるので、もっと多くの人に聴く機会が与えられて欲しい。