2011年の邦楽10枚
2011年にリリースされた邦楽のアルバムから最高の10枚を選ぶ。
ルールは以下。
- (表題通り)邦楽のみ。国内で活躍するアーティストに絞る。
- 1アーティスト1枚
- サントラ盤・コメディは除く。
- コンピレーション盤は1枚のみ。
- シングルは除く
- 映像作品として販売されていたものに付いてきたCDは対象外
以下、順不同。
- アーティスト: 坂本慎太郎
- 出版社/メーカー: zelone records
- 発売日: 2011/11/18
- メディア: CD
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一聴するとボーカルが軸としてある音楽群なのだけれど、初回版には全曲のインスト盤が収録されている点も興味深い。
「君はそう決めた」
8名の女性ボーカリストをフィーチャーし、多種多様なゲストミュージシャンが参加したアルバムであるが、不思議なことに統一感が取れている。自然の中で動物と戯れるイメージがアルバム通して存在している。
驚くべきは、統一感が取れているのに、ボーカリストの魅力がスポイルされていないこと。(楽器を演奏するだけではなく)プロデューサーやオーガナイザーといった側面も持つアーティストであるYAMP KOLTだからこその作品なのだろう。ひょっとしてもしかすると、奇跡の一枚かもしれない。
「絵のクイーン 張り子のキング feat. UA」
- アーティスト: salyu × salyu
- 出版社/メーカー: トイズファクトリー
- 発売日: 2011/04/13
- メディア: CD
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ポップスには収まらなかったSalyuの新たな可能性を小山田圭吾が切り開いた――と表現する以上にあらゆる才能が集まってきてしまって、大変なプロジェクトになってしまったアルバム。
「ただのともだち」
- アーティスト: ツチヤニボンド
- 出版社/メーカー: AnalogPants
- 発売日: 2011/11/11
- メディア: CD
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「ジャンルレスの音楽」と表現される音楽からはボーダレスであるが故の距離感を感じることが多いのだけれど、ツチヤニボンドが演奏するジャンルレスの音楽は、非常に近い位置から響いてくる。おそらくは一昔前の日本のロックからの影響がボーカルとメロディ面で色濃いからであろう。
しかし、消化しようとすると途端に距離感が分からなくなる。文章で掴もうとすると、新しい顔を覗かせてするりと逃げていく音楽だ。例えば「混沌」と表現してみても、いわゆるカオスな音楽とは対極の漂いだ。真夜中にふわりと現れたお化けのような音楽。と書いても伝わるだろうか。
あらゆる時代やジャンルの音楽を容易に聴くことができるようになった近年だからこそ、このようなジャンルレスの音楽が生まれたのかもしれない。新たな可能性を感じさせる光、しかしギラギラ揺らぎ瞬いている光。
「花子はパンク」
- アーティスト: yanokami
- 出版社/メーカー: ヤマハミュージックコミュニケーションズ
- 発売日: 2011/12/14
- メディア: CD
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「Don't Speculate」がハラカミさんと矢野さんの才能が鬩ぎ合う非常に良い曲(別バージョンではU-zhaanと矢野さんが鬩ぎ合う)なのだけれど、この曲のYoutube動画が無かったので楽曲リンクはなし。
THE (OVERUSED) END OF THE WORLD and I MISS YOU MUH-FUH
- アーティスト: SuiseiNoboAz
- 出版社/メーカー: SuiseiNorecoRd/Village again
- 発売日: 2011/07/06
- メディア: CD
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「オルタナ」や「シューゲイザー」といった既存のジャンルの要素は含んでいるが、そのようなジャンル分けではこのアルバムは表現することができない。ただ、格好良く心地良く鳴るロックサウンドが追求されているアルバム。
「くたばれ世界」と真正面から歌えるロックバンド、最近は新鮮。
「E.O.W.」
- アーティスト: LAMA
- 出版社/メーカー: KRE
- 発売日: 2011/11/30
- メディア: CD
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スーパーカーでもナンバーガールでもない、フルカワミキの音楽がベースとなって、各人が才能をぶつけ合った作品。フルカワミキのソロ作品は孤独感を感じるものが多かったのだけれど、LAMAで同士を得て花開いた印象。
「Fantasy」
- アーティスト: あらかじめ決められた恋人たちへ
- 出版社/メーカー: POPGROUP Recordings
- 発売日: 2011/05/25
- メディア: CD
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ダブバンドにピアニカが入ることで、なぜか日本的な哀愁が増し、目の前に映像・ストーリーが広がる。でもダブなので踊れる。バラード要素とダブ要素が両立する絶妙なバランスの音楽。
「Back」
- アーティスト: Her Ghost Friend
- 出版社/メーカー: アート・ユニオン
- 発売日: 2011/09/14
- メディア: CD
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#1「放課後のシソーラス」を聴いて、女性ボーカルとピコピコするトラックメーカーのユニットね、と理解したつもりで聴き進めていくとラップだったりポエトリーだったりインストだったり様々な角度からの表現が現れて驚く。
アイディアの詰まったおもちゃ箱のようなアルバム。シンプルに、楽しい。
「放課後のシソーラス」
- アーティスト: Go-qualia
- 出版社/メーカー: Virgin Babylon Records
- 発売日: 2011/12/09
- メディア: CD
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エレクトロニカ・アンビエントの中にも、激しいカットアップが差し込まれたり、「うたごころ」を感じさせるフレーズが現れたり、そのふり幅の匙加減が丁度良く、耳に馴染みやすい。
「Requiem」
以上10枚。