RADIO CRAZY 1日目(2010.12.29)

去年のライブ締めだったRADIO CRAZYの感想。
今年の夏フェスは目当てのバンドが少なくて、後方でダラダラすることが多かったのだけれど、RADIO CRAZYは珍しく興味を引くアーティストが多く、久々に精力的にステージ間を歩き回った。

ねごと

最近「ループ」がヒットして徐々に人気が出てきている四人組ガールズバンド。
ソニーミュージック的な割と行儀の良い(でも歌番組とかバンバン出ちゃうようなタイプとは異なる)ガールズバンドという印象、一年前くらいにTwitterのオフィシャルアカウントからフォローされた繋がりでちょっと贔屓する気持ちがあって、観てきた。

やっぱり、関東のバンドという印象。シンセの使い方とかボーカルの声とかが下北的。チャットモンチーみたいにオルタナ魂を持ったプロデューサーに巡り会えるときっと良くなる(個人的に好みの音になる)と思う。

後そう、MCが結構おかしかった。MCはボーカルとドラムが会話する形だったのだけれど、ドラムが「可愛くない天然」っぷりを出していて好感度が高かった。MCで観客が「戸惑い」の空気になるとか中々無いよ。

ストレイテナー

別ステージのモーモールルギャバンと被っていたので前半だけ観た。
安定してRUSH BALLと同じという印象だったので、特にコメントが無いな。演奏が悪かったわけではないけれど、この日特に強い印象が残っていない。

モーモールルギャバン

濃すぎて今回のRADIO CRAZYのラインナップで一番浮いていると思う。よく呼んだなーFM802は。

確かセトリがこんな感じ。
・細胞9
・POP!烏龍ハイ
・ユキちゃん
・ユキちゃんの遺伝子
・サイケな恋人

割とフェス寄りのセットだと思ったのだけれど、インスト寄りの「細胞9」をセットに入れてしまえるのが素晴らしいね。ワンマンなら分かるのだけれど。
最初の「細胞9」の演奏からはバンドの風格すら感じた。やっぱりこのバンドはコミックバンドじゃないわ。コミックバンドと評価してしまうのは勿体ない。

しかしドラムがメインボーカルという構成は無理があるよなあ。
ギターレスの3ピースバンドなのでドラムがリズムキープだけに徹する訳にもいかない。その結果、ドラムで息切れしながらギリギリの状態で歌うことに。CDでは気付かなかったけれど、この構成はライブキツいよな。
ただ、そういう雑な部分もアリなのかなーと思わされてしまうのがこのバンドの魅力。

唯一無二であることは間違いない。フルアルバム出たらワンマン観に行きたい。

OKAMOTO'S

ズットズレテルズ」の頃から、「浜田の息子参加→色モノバンド」という勝手なイメージのせいで敬遠していたのだけれど、新譜が結構評判良いらしいので、観てみた。

なるほど、演奏の上手さは明らかだった。十代とは思えない安定したバンドパフォーマンス。相当な量のライブの場数を踏んでいると知って納得した。

ただ、メンバーのキャラクターと演奏の上手さ以外はあまり印象に残っていないのが本音。この日はストレイテナーですら印象が薄くなった日、他のメンバーの演奏が濃すぎたので仕方ない。次回はもう少しちゃんと集中して観たい。

布袋寅泰

生の布袋寅泰、これはさすがにテンションが上がる。中学生の頃にCDをレンタルしていた自分に「将来生で布袋観る機会あるよ」と教えてあげたい。

まず、バックバンドが中村達也&TOKIEなのには少し驚いた。そういう所と繋がりがあったのか。もっとおっさん臭いバンドを従えていると勝手に思っていたのだけれど、意外。

そしてやっぱりギターが上手いね。ギタリストだから当たり前なのだけれど、ギターが際だって上手かった。フェスなので「BAMBINA」とか知名度の高い曲もやったけれど、演奏が印象に残ったのはやっぱりギターソロの曲だったわ。
あの個性の強いバックバンドを従えて、演奏の中でギターが完全に浮き出してキャラ立ちしている、というのは驚異。このバンドに対しても「格上の演奏」ができるのか!やはり生ける伝説は凄い。

フェスに布袋寅泰、というのは異色のブッキングかなーとライブ前は思っていたのだけれど、全然違和感無くフェスに溶け込んでいた。これからもフェスにどんどん顔を出したら良いと思う。

ザ・クロマニヨンズ

やっと、やっとクロマニヨンズというバンドの楽しみ方が分かってきた気がする。
演奏を音楽的にどうこうとか考えたら駄目なんだな。あのメンバーと同じ空気を共有している、という気持ちを単純に高めながら観たら、やたら楽しかった。

持ち時間は40分位だったはずなのに、新しいアルバムからやらシングルからやら盛りだくさんの内容。毎度毎度、外さないライブをするバンドだと思う。ベテランのなせる業か。

奥田民生

別ステージで後から始まるEORを最初から観ようと考えていたので、終盤は観ていない。
フェスでも知名度の高い曲を演奏しないことに定評のある奥田民生だけれど、今回も相変わらず「アルバムの中の一曲」をバンバン演奏。

今回は個人的に割と当たりだったので、半分くらいの曲は分かった。「ああ、その曲演るのかー渋いなー」という感動があるので、アルバム聴き込んでライブ観たら楽しいだろうなあとは思う。

EOR

このメンバーリストを見ただけで、期待は否応なく高まる。このバンドに惹かれたことが、今年のRADIO CRAZYを観に行く決断をした大きな理由だった。
中村達也の活動のメインであるLOSALIOSとはまた別のインストバンドとして期待していたのだけれど、やはり期待通り、このバンドのポテンシャルは高かった。
各パート、個性の塊みたいなメンバーが揃っているのだけれど、恐らくライブ演奏はインプロ中心なのに個性が邪魔し合っていないところが凄い。NATSUMENかと。
四人の個性が生かされるよう上手く配置された演奏になっていて、改めて中村達也の「バンドを指揮する力」に感心した。

終盤にはSuperflyとMO'SOME TONEBENDERの百々和宏がそれぞれボーカルとギターでゲスト参加。そしてNirvanaのSLTSとCyndi LauperのTime After Timeをカバー。これはさすがに盛り上がった。このメンバーでSLTSとか演奏したら、盛り上がらないわけがないわ。これがこの日のクライマックスの一つ。

久々に、心から「ライブって面白いなあ、やっぱりバンドはライブを観なきゃなあ」と思わされたバンドだった。

斉藤和義

EORと被っていたので途中から。ポッキーのギターでポッキーの曲とか弾いてた。

CRAZYMAN CLUB BAND

RADIO CRAZYのコンセプトバンド。バンドメンバーが異常に豪華。

このメンバーにゲストボーカルを迎えながら演奏するというドリーム企画。
最初は明るいノリだったのだけれど、ゲストボーカル「吉井和哉斉藤和義」で「イマジン(日本語Ver)」を演るという裏技からの、最後ゲストボーカル全員で「雨上がりの夜空に」への続く流れが素晴らしかった。
去年のRADIO CRAZYの企画だった「帰ってきたナニワ・サリバン・ショー」が、清志郎への追悼ショーが、一年後のこの日にようやく完結したなと思った。やっぱり最後は明るくパーティーで終わらないとね。



いやー。楽しかった。久々にフェスを満喫したわ。
関西のフェスでこうも右へ左へステージ間を歩き回って楽しめる日が来るとは思わなかった。関西が誇るフェスの一つに成長したと思う。