OTODAMA '10 (2010.09.04)

朝、一緒に行く予定の友達からの「まだー?何時着くのー?」という電話で起床。集合時間にまだ寝ていたという衝撃。これは酷い。これは酷い。そんなおれのバッグには皆のチケットが入っていて。チケットを握っているおれが遅刻しているというこの事実が酷い。会場に先行してもらうわけにもいかない。「死のう死ぬべき死んで詫びなければ」と思ったけれども、死ぬのはチケットを送り届けてからだと思って、瞬速俊足で向かった。

おれより遅れた友達がいたので死なずにすんだけれども、遅刻はやっぱり駄目だ。こんなに酷い遅刻はないわ。というわけで、すいませんでした。

なので、ちょっと遅れてミドリからの会場入り。

ミドリ

案外ミドリのライブを観る機会が少なくて久々のライブだったんだけれど、やっぱりミドリのライブは面白いなあ。
ボーカルの後藤まりこを皆で奉る、予想通りに予想がつかないライブ。泉大津にメインステージで凱旋というシチュエーションも、ライブが不安定になる要素の一つだったのかもしれないな。鍵盤のハジメが楽器をまりこに蹴っ飛ばされてたのがちょっと気の毒になった位、そのステージ上の展開がパンクで読めなかった。
ただ、フェス向けの即沸騰曲ばっかりだったので、今度はワンマンで観たいところ。そもそも、なぜワンマンで一度も観てないのか。

アナログフィッシュ

あまり新譜から曲を演らなかったのが残念。フェス向きではないけれども「平行」が聴きたかったのに。
ただ、アナログフィッシュの良いところはライブでも強く感じる事ができた。新譜を聴いて強く思ったんだけれども、このバンド、音に実に無駄がないし、欠けてもいない。完成している。この辺りは新譜の感想で書こうと思っているのでここでは置いておこう。

POLYSICS

三人になってから初めて観た。サポートなしの三人だけのステージなので、シンセの音がどこからともなく流れてくるのが寂しかった。
そして、これまでフェスセットでは外してるの聴いた事がない「I My Me Mine」を演らず。そうだ、リコーダー吹いてくれる人は居ないんだもんな。恐らく、カヨボーカルやシンセが主役だった曲はもう封印なんだろうな。

この新しいPOLYSICS、三人編成になって、骨太ロックバンドとしての色を強めてきた印象だった。「どこからともなくシンセ」を除いても三人なのに実に分厚い音で、POLYSICSの魅力を再発見。今回のセットは新曲もバンバン演ったし、カヨ抜きの新しい体制をいち早く確立しようとしているのだろうなあ。でもまだ脱皮中模索中、という印象。頑張れ頑張れ。

Cocco

なぜCoccoがサブステージなのか分からないけれど、とにかく泉大津フェニックスのサブステージ史上最大の観客だったに違いない。ステージ周りに臨時で柵がザクザク立てられ、スタッフもバンバン増員されていた。
「強く儚い者たち」等の旧曲で掴んで、徐々に新しい曲に流れていく展開、もうフェスも手慣れたものだなあと感じた。結構持ち時間あったのに、早めに切り上げてしまったのがちょっと残念。

BEAT CRUSADERS

散開前最後のライブ。
こうして一つのバンドがヒットして大きくなって、最後の解散まで見届けたというのは、なんだか感慨深いものがある。歳を取った。
それほど熱狂的なファンでは無かったけれども、アルバムは買っていたしフェスでも前方で何度も拝ませて頂いた。人気が不動のものとなってからは、逆に興味がちょっと薄れちゃったけれども。

そんな半端なファンでも楽しめるような、集大成のセットリスト。
http://twitpic.com/2l6jb1

アンコールではなんと新曲を発表。さらにメインステージのトリとはいえ別ステージでの演奏が次に控えている状態ではまさかだった、ダブルアンコール。最後は代表曲「HIT IN THE USA」で終了。

ビークル。おまんこコールは最後まで理解できなかったけど、良いバンドだったと思う。売れてもポップ魂を忘れない、というのは、案外なかなかできる事じゃない。皆売れたら「本当にやりたかった事」という「アーティスト性」とやらを出したがるからね。
解散となると、この曲それぞれにちりばめられたポップセンスが一々心を刺激してくるんよね。ライブ中はもう泣きのメロディの連発で、センチメンタルな気持ち一色になった。
よく考えたら「散開します」と宣言して、各地回ってから解散するというのもポップだよなあ。優しいよなあ。真摯に聴き手へ向き合ってくれていた、サービス精神旺盛なバンドだったと思う。



去年から、個人的には「OTODAMA>RUSH BALL」と評価が完全にひっくり返った。特に今年で、OTODAMAは完全にそこらのフェスからは一歩抜け出したなあと思った。

今回のOTODAMAもステージが大小沢山あって、今年は通常ではありえない小さなステージで有名なアーティストがライブ演ったり、ライブ以外にもそこらでイベントをやっていて、「そんなに興味ないアーティストの時間」も全く飽きることなく楽しめる事ができた。
これはフェスを「沢山のアーティストが少ない時間でライブを演る場」と捉えるか「沢山のアーティストで作る音楽のお祭りの場」と捉えるかの違いなのかもしれないなあ。もちろん、前者より後者の方がより楽しめるし、フジやライジングが楽しいのも後者だからだろう。
今年も開催してくれるRADIO CRAZYには是非この「音楽のお祭りの場」という意識をを受け継いでもらいたいな。フェスはお祭りなんだよ。