2019年の邦楽10枚

2019年にリリースされた邦楽のアルバムから最高の10枚を選ぶ。今年で10年目。そして最後になる。もうすっかりアルバム単位で音楽を聴いておらず、自分の中でアルバム単位で一年を振り返る必要がなくなったので。

ちなみに今年一番聴いた2019年発売のアルバムは、ここにリストアップしていないNUMBER GIRLの新しいライブアルバム「感電の記憶」だと思う。

選出基準

  • 邦楽のみ。国内で(も)活動するアーティストに絞る。
  • 1アーティスト1枚
  • コンピレーション盤は最大1枚。

集団行動/SUPER MUSIC

SUPER MUSIC (初回限定盤)

SUPER MUSIC (初回限定盤)

AAAMYYY/BODY

BODY

BODY

Tempalay/21世紀より愛をこめて

21世紀より愛をこめて

21世紀より愛をこめて

崎山蒼志/並む踊り

【Amazon.co.jp限定】並む踊り(DVD付)(デカジャケット付)

【Amazon.co.jp限定】並む踊り(DVD付)(デカジャケット付)

  • アーティスト:崎山 蒼志
  • 出版社/メーカー: SMM itaku (music)
  • 発売日: 2019/10/30
  • メディア: CD

ACO/SING SING SING

SING SING SING

SING SING SING

  • アーティスト:ACO
  • 出版社/メーカー: 翡翠
  • 発売日: 2019/11/27
  • メディア: CD

NOT WONK/Down the Valley

Down the Valley

Down the Valley

  • アーティスト:NOT WONK
  • 出版社/メーカー: cutting edge
  • 発売日: 2019/06/05
  • メディア: CD

THA BLUE HERBTHA BLUE HERB

THA BLUE HERB

THA BLUE HERB

Answer to Remember/Answer to Remember

Answer to Remember (完全生産限定盤)

Answer to Remember (完全生産限定盤)

  • アーティスト:Answer to Remember
  • 出版社/メーカー: SMJ
  • 発売日: 2019/12/04
  • メディア: CD

ROTH BART BARON/けものたちの名前

けものたちの名前

けものたちの名前

  • アーティスト:ROTH BART BARON
  • 出版社/メーカー: felicity
  • 発売日: 2019/11/20
  • メディア: CD

相対性理論/調べる相対性理論

過去の10枚

2018年の邦楽10枚

http://metaparadox.hatenablog.com/entry/2018/12/31/230000

2017年の邦楽10枚

http://metaparadox.hatenablog.com/entry/2017/12/31/140000

2016年の邦楽10枚

http://metaparadox.hatenablog.com/entry/2016/12/25/090000

2015年の邦楽10枚

http://metaparadox.hatenablog.com/entry/2016/01/02/184449

2014年の邦楽10枚

http://metaparadox.hatenablog.com/entry/2014/12/31/132004

2013年の邦楽10枚

http://metaparadox.hatenablog.com/entry/20131231/1388501652

2012年の邦楽10枚

http://metaparadox.hatenablog.com/entry/20130115/1358261719

2011年の邦楽10枚

http://metaparadox.hatenablog.com/entry/20120118/1326889267

2010年の邦楽10枚

http://metaparadox.hatenablog.com/entry/20110411/1302534280

2019年の100曲 (Spotify)

【レビュー】SENNHEISER MOMENTUM True Wireless

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SENNHEISER MOMENTUM True Wireless

Bluetoothイヤフォンとして普段使いしていたSENNHEISERMOMENTUM In-Ear Wirelessを紛失してしまった。しばらくはSony WH-1000XM3とBose SoundSport Free wireless headphoneを使っていたのだけれども、どうも「MOMENTUM」の音が恋しくてしょうがなくなったので、買い増しを検討することにした。

MOMENTUM In-Ear Wirelessにはかなり満足していたので、同じ機種を買い直すのも選択肢の一つだったのだけれど、折角またお金を出すなら違う機種に挑戦しようということでこのMOMENTUM True Wirelessを選択した。単純にこのフォルムに一目惚れしたというのもあるけれど......。折角なのでこのMOMENTUM True Wirelessのレビューを書いておく。

メーカーサイト

ja-jp.sennheiser.com

レビューの利用環境

レビュー

Bluetoothの接続品質

接続品質は良い。ただ瞬断が無いわけではない。梅田のJR大阪~グランフロント辺りはやっぱり切れる。このエリアはもうSony WH-1000XM3でもSENNHEISER MOMENTUM In-Ear Wirelessでも接続がブチブチ切れる魔のエリアなので、今のところはiPhoneBluetoothヘッドフォン・イヤフォンを使うなら瞬断は宿命だと諦めるしかないと思う。なおこのエリア以外では全く切れていないので、少なくともBose SoundSport Free wireless headphoneより接続は安定していると言える。

◎音声遅延

完全ワイヤレスイヤフォンなのに音声遅延がない。音に違和感無く動画が観られる。SoundSport Free wireless headphoneのレビューで、完全ワイヤレスイヤフォンにおいて音声遅延は宿命だと書いたのだけれども、克服している機種もあった。値段が高い機種は違うなと感心した。

◎音質

これぞMOMENTUM。中低音の解像度が尋常ではなく、他のイヤフォンでは感じられなかった音像が現れる。楽器が場所と一緒に見えるよう。楽器以外の音の再現も鳥肌で、フィールド系の音が鳴ると「これが水なのね!」「森の中、樹の上にいるみたい!」みたいに新鮮な気持ちにさせられる。他のイヤフォンやスピーカーと音の鳴り方が異なるのを楽しめる人にはピッタリの機種で、一度この気持ちよさにハマると抜け出せなくなる。

音源の質を問わずにある程度のレベルで気持ちよく聴かせてくれるのもMOMENTUMの特徴で、どんなジャンルでも80点以上で鳴らしてくれる。Spotifyのプレイリストを適当に流してみよう、といった音源を限定しない聴き方をする場合には特にお薦めできる。

また一部のMOMENTUMシリーズのように高音が潰れてサウンドが安っぽくなっていないのも高ポイント。高中低全ての音がちゃんと鳴って「音が良い」印象と、耳ざわりの良い部分の高解像度で「気持ちいい」印象が両立している、絶妙なバランスのMOMENTUMになっている。

逆にモニター系、ハイレゾ系を求める人には全く向いていない。素直な音を求める人はSony WF-1000XM3を選んだ方がきっと幸せになれると思う。またMOMENTUM True WirelessとWF-1000XM3を聴き比べて迷ったなら、値段の安いWF-1000XM3を選んだ方がいい。MOMENTUM True Wirelessを選ぶべき人は、この二つの機種の音質が同じ土俵に乗らないので。

◇装着感・快適性

付属のイヤーチップがひどい。イヤーチップだけで本体を支える構造になっているのだけれども、付属のイヤーチップがしっかりとは本体を支えてくれず、耳のいい位置に本体が収まってくれない。本体を指で支えて押し上げた方が明らかに良い音が聞こえるし、支えが心許ないと耳から脱落する不安もある。イヤーチップなんて好みの世界だろと正直思っているけれど、この機種に関してはちゃんと本体が支えられるイヤーチップに変えた方がいい。

ということで、イヤーチップはCOMPLYのTG-200に変更して使っている。遮音性が上がって一石二鳥だ。なおこの機種には「Transparent Hearing」という一時的に外部音を取り込んでくれる便利モードがあるので、耳に本体を装着したままでも、売店での簡単な買い物の会話などは問題なくできる。着脱が億劫な機種なので、外さなくていい機能があるのはありがたい。

◇デザイン

デザインは良い。高級感がある。ただ全体の形状が丸っこく持ちにくいのが難点である。

銀色のキラキラしているパーツにタッチして操作ができるのだけれど、装着するときにこのパーツに触ってしまうと誤作動してしまう。なので、黒い部分だけを上手く掴んでケースから外し、耳に装着する必要がある。この取り扱いには結構気を遣う。完全ワイヤレスイヤフォンにとって屋外での落下は紛失に直結するので、もう少し持ちやすさも考えて欲しかったとは思う。

◎再生時間・付属ケース

製品仕様によると、本体だけで約4時間の連続再生が可能、更に付属ケースに内蔵されているバッテリーから本体のフル充電が2回可能で、約8時間の再生時間が追加できる。再生時間は正直あまり長くない。ただイヤフォンを耳に装着していない時間はケースに戻しているので、自ずと本体はケースのバッテリーでこまめに充電されることになり、本体だけの連続再生時間を意識することはあまりない。あと充電はUSB Type-Cの接続になることに注意。

△本体操作

両耳それぞれの銀色パーツ部分を、シングルタップ、ダブルタップ、トリプルタップ、ロングタップすることで色々な操作をすることができる。

SoundSport Free wireless headphoneの固い物理ボタンより便利ではあるけれど、ダブルタップ、トリプルタップが結構難しい。装着中に銀色パーツを狙ってタップすることがかなり難しいので、ダブルタップをしたい場合は「シングルタップしてみて反応音があったらすぐもう一回同じ場所をシングルタップする」という意識で操作する必要がある。面倒だ。

前述した便利モード「Transparent Hearing」のオン/オフが右側イヤフォンのダブルタップなので、このダブルタップの操作は避けて通れない。慣れると成功率は上がってくるのだけど、シングルタップに割り当て変更ができたらなあとは思う。ファームウェアの更新での対応に期待したい。

まとめ

誰にお勧め?

  • 屋外で気持ちよく音楽を聴きたい人
  • MOMENTUMサウンドが好きな人

誰には勧められない?

  • モニター系、ハイレゾ系の音質を求めている人(Sony WF-1000XM3を検討しよう)
  • 不器用な人
  • 予算が3万円以下の人(SENNHEISER MOMENTUM In-Ear Wirelessを検討しよう)

(参考)Bose SoundSport Free wireless headphoneのレビュー

metaparadox.hatenablog.com

NUMBER GIRL TOUR「NUMBER GIRL」@なんばHatch (2019.09.07)

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私は友達と前方で静かにメンバーの登場を待っていた。緊張していたけれども、もっと緊張してもいいのになと思う気持ちも同時にあった。ステージにはメンバー四人の楽器が既に準備されていて、正しくそれは目の前にある「現実」なのだけれども、ライブを観たことがないままバンドを神格化していた私にとっては、ここまで舞台がお膳立てされていても、どこか現実感に欠けているような気がしていた。

フロアにMARQUEE MOONが流れて、観客のボルテージが一気にヒートアップした。それまでは余裕がありそうな素振りで会話をしていた周りの観客たちも、もれなく全員の気持ちのスイッチが入っていた。みな狸だ。私も狸だった。メンバーの四人がステージに登場した時には、歓声は怒号のようにフロアに響き渡っていた。皆が何を叫んでいるのか判別ができない。私にとってはメンバーの四人ともよく見知った顔であり、特に向井さんの顔は恐らく百回弱はステージ上で拝見している。生で拝見するのが初めてではないメンバーが、ただ登場しただけで興奮するのはおかしいのだけれども、やはり私も頭がおかしくなって叫んでしまっていた。獣のようなスタイルで。四人がこのステージに揃う、ということはそれ程の価値があることなのだ。観客の誰もが当然そう思っていた。

一曲目は「大あたりの季節」。インディーズ時代の曲で、知名度も高くないはずの曲なのに爆発的に盛り上がる。テンポがやや早めで軽快な曲だからだろうか、いやその瞬間は恐らく「ナンバーガールが今目の前で演奏していること」に観客は皆飲まれていたからだろう。この曲を知らない観客も多かっただろうに、どんちゃん騒ぎで盛り上がった。

そして二曲目が「鉄風 鋭くなって」。観客の目の色が変わる。「鉄風!」と絶叫する声が響き渡り、フロアの熱量が二曲目にして最高潮に達した。そこから「タッチ」「ZEGEN VS UNDERCOVER」と息をつく暇が無い。ライブを観たことがない多くの観客にとっても、何十年前にライブを数回観ただけの観客にとっても、演奏される全ての曲がライブで聴くと新鮮だった。休める曲などあるわけがなく、体力が切れるまで踊り狂う観客の集まりがそこにあった。五曲目「OMOIDE IN MY HEAD」で頭が真っ白になり、私は体力の危険を感じて後方に下がって観ることにした。

後方で空間を確保しながら落ち着いて観ることにして、ようやく気付き驚いたのは、各メンバーのプレイの安定感だった。様々な過去のライブを見聞きするに、ナンバーガールのライブは何よりも勢いが重視されていたと思う。だけれども、解散後の各々の鍛錬により技術が高まった結果、今のナンバーガールの演奏は非常に安定感のあるものになっていた。音が外れても気持ちがそこに引きずられることがなかった。憲太郎さんのベースに揺らぐ気配が全くなかったからだ。「YOUNG GIRL SEVENTEEN SEXUALLY KNOWING」などは向井秀徳アコースティック&エレクトリックで何度も聴いていたけれども、そのソロでの演奏にはないギター音があり、曲の筋肉となっていた。ひさ子さんのジャズマスターだ。そして気の狂ったようなビートを刻むアヒトさんが、曲に大輪の花を咲かせていた。「向井秀徳のバンド」ではない、「向井秀徳アヒト・イナザワ中尾憲太郎45才と田渕ひさ子のバンド」がそこにあった。ZAZEN BOYS向井秀徳のバンドとして何度も何度も観ていた私にとって、そのバンドの一メンバーとして存在している向井さんがとても新鮮で、その拮抗した力関係による演奏で生み出されている迫力に、圧倒された。

曲と曲の合間に挟まれる向井さんの惚けたMCに、鉄面皮を貫く憲太郎さん。笑いと困惑を見せるひさ子さん。自分のペースを整えているアヒトさん。演奏以外で表立ったメンバー間の絡みはない。ただ観客の歓声にはメンバー皆、たまに反応をされていた。皆、メンバーのためというよりも観客のために演奏をされているのだと思った。この再結成が長く続くことはないのだろうけれども、バンドのライブを待っている人が沢山いることが明らかだから、日本各地で演奏する。そう決めている。そんな意志を感じた。

「透明少女」はあっという間だった。ナンバーガールのライブはあっという間に曲が終わっていく。ZAZEN BOYSのような特別なロングアレンジがあるわけでもなく、ただ各音源に忠実な演奏が続いた。それで充分に新鮮だったし、「水色革命」のようなインディーズの頃の曲がセットリストに挟まれることに新鮮さがあった。夢かもね。確かにこのライブを観るのが夢だったよ。そして「日常に生きる少女」の轟音には「音源に忠実」という言葉はナンセンスだった。

「NUM-AMI-DABUTZ」で再度気合いがみなぎり、「Sentimental Girl's Violent Joke」では、観客が各々の感情を各々の中で高めながら踊っていた。力尽きて棒立ちになる観客の中で、ただ自分が育てたナンバーガールへの思い出を、目の前のライブで噛みしめながら、腕を振り上げたり拳を握る観客たちがいた。後半になり観客のライブの楽しみ方がそれぞれになってきて、ただ自分の中の好きな気持ちを表に出さざるを得なくなっている観客が、自分のリズムで拳を握ったりしながら不思議なダンスを踊っていた。私もそうだった。

「Destruction Baby」で真っ白にさせられて、「Manga Sick」で拳を振り上げて、殺風景からの曲の連発に盛り上がって。きっと誰もが別々のライブの楽しみ方をしていて、きっと全員が充足していた。「I don't know」で絶叫して「EIGHT BEATER」で飛び跳ねて、いよいよ本編が終わるかと思ったところで、最後に一曲演ってくれたのが「IGGY POP FUN CLUB」だった。

IGGY POP FUN CLUB」の歌詞は、ナンバーガールのことを思い出していた私の感情だった。何十回、何百回とリピートしていた時には全く自覚がなかったけれども、この曲を聴く度に、ナンバーガールを、ナンバーガールを現役のバンドとして聴いていた頃を私はきっと思い出していた。その感情の蓄積が、この瞬間にわかってしまった。今目の前にナンバーガールのメンバーがいて、演奏している。そのメンバーの輪郭を思い出と重ねて、心に刻みつけた。私の中で「ナンバーガールを観る」という目的が達成された瞬間があるとすれば、この時だった。

アンコールでもう一度「OMOIDE IN MY HEAD」。時間を空けて整い直した観客が、これが最後のチャンスだとばかりにまた爆発的に盛り上がる。また頭が真っ白になった。そして「TRAMPOLINE GIRL」は新旧両方を演奏。まるで夏が戻ってきたかのような暑さだった今日の大阪で、初めてこの夏の曲「TRAMPOLINE GIRL」を聴けて、良かった。

ライブ音源を何度も聴いて、それはもう向井さんの口上を覚えてしまう位何度も聴いて、もし私がそのライブにいたらこうやって盛り上がるのにな、という妄想が現実になった。それは「TRAMPOLINE GIRL」後半のダッダッダッダッダッダッツダーンの部分を首ガクガクでリズム取るとか、「U-REI」で「(死神とは手を)組まねえーっ」と絶叫するとか、ドラムカウントを一緒に叫ぶとか、腕を突き上げるタイミングとか、共感なんてない些細なものの積み重ねだけれども、曲のフレーズの一つ一つに思い出があって、そのフレーズへの思いを昇華させることができたのは、私にとって最高の体験だった。

家に戻り、魂が抜けたようになっている。夢のようなライブで、その現実感もまた薄れそうになっているけれど、ただ滅茶苦茶に痛んでいる両肩が、あのライブが現実だったことを今でも私に教え続けてくれている。

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セットリスト

下記の力作!を整えさせて頂きました。感謝です。